【獣医師が徹底解説】 犬がブドウやチョコレートを食べた時の対処法

人間にとっては美味しいブドウとチョコレート。
実は犬にとって、猛毒となる可能性がある大変危険な食べ物です。
もし愛犬がこれらを食べてしまった時の対処法を獣医師が紹介します。

1.  犬にブドウとチョコレートは厳禁!

2.  ブドウは急性腎不全を、チョコレートは嘔吐・下痢を引き起こす。
3. ブドウやチョコレートを食べてしまった時は、自己判断せずにすぐに動物病院を受診する。

 
 
順に、ブドウから解説します。
 
・ブドウによる食中毒は?
・ブドウ1粒程度なら大丈夫?
・食べてしまった時の対処法は?

ブドウによる中毒症状は?

犬がブドウを食べると、数時間以内に元気消失や下痢、嘔吐といった消化器症状が現れます。
その後、急性腎不全へと移行する場合もあります。

急性腎不全になると、腎臓で十分におしっこを作ることができなくなり、数日で死亡するケースもあります。

ブドウ1粒程度なら大丈夫?

実は、ブドウのどの物質が中毒を引き起こすかどうかは現在も不明です。
そのため、「〜粒程度までなら大丈夫」といった基準はありません。

実際の診療でも、ブドウを10粒食べたが無症状の場合もあれば、1粒で急性腎不全まで進行したケースもあります。
個体差が非常に大きいので、ブドウは絶対に与えないようにしましょう。

食べてしまった時の対処法

犬がブドウを食べているのを目撃したら、直ちにブドウを取り上げましょう。
その後、口の中をすぐに確認してください。
まだ口の中にブドウが残っている場合は取れる範囲で取りましょう。

そして、食べたと思われる時間とブドウの量、種類などを記録し直ちに動物病院を受診してください。
絶対に、自己判断で塩を飲ませて吐かせてはいけません。食塩中毒に繋がる可能性があり、大変危険です。


次にチョコレートについて解説します。

・チョコレートによる食中毒は?
・チョコレートの危険な摂取量は?
・食べてしまった時の対処法は?

チョコレートによる中毒症状は?

犬がチョコレートを食べると、カカオに含まれるテオブロミンという成分が中毒症状を引き起こします。
人にとってはリラックス効果など良い作用をもつテオブロミンですが、
犬はテオブロミンを代謝することができないため体内に蓄積されて毒となります。

中毒症状は、段々と落ち着きがなくなる、ソワソワし始める、フラフラと歩く、興奮状態となる、呼吸が荒くなるといった神経症状から、震え、不整脈、下痢、嘔吐といった様々な症状を示します。
これらの症状は約1時間〜8時間以内に現れますが、稀に数日経って現れる場合もあります。

チョコレートの危険な摂取量は

前述のように、チョコレートの危険性はそのカカオの濃度によって変化します。
また同じ量を食べた場合、大型犬より小型犬の方が強い症状を示す傾向にあります。
ダークチョコレートの場合は数十g (人間の一口以下のサイズ)で中毒症状を示すこともあるため
自己判断はせずに、すぐに動物病院を受診しましょう。

食べてしまった時の対処法

犬がチョコレートを食べているのを目撃したら、直ちにチョコレートを取り上げましょう。
その後、口の中をすぐに確認してください。
まだ口の中にチョコレートが残っている場合は取れる範囲で取りましょう。

そして、食べたと思われる時間とチョコレートの量、種類・ブランドなどを記録し直ちに動物病院を受診してください。この時、食べたチョコレートのパッケージも持参しましょう。
絶対に、自己判断で塩を飲ませて吐かせてはいけません。食塩中毒に繋がる可能性があり、大変危険です。

目次

最後に

動物病院では、胃洗浄や胃に残っているものを吐かせるために、気持ちが悪くなる薬を注射して吐かせるケースがほとんどです。
このような事故を防ぐために、人の食べ物の保管場所には十分注意しましょう。
そして、最も大切なことは人の食べ物を決して動物に与えないことです。

今後もペットの健康に関する記事を紹介していきます!
最後までお読み頂きありがとうございました。

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