【ペットショップの売れ残りは引き取れる?】獣医だけが知る真実

ペットショップで売れ残るとどうなるか
ペットショップの売れ残りを引き取りたい

当サイトの全ての記事は専門性を高めるため
複数の現役獣医師が監修&執筆しています。

こんな方に最後まで読んでいただきたいです!

・ペットショップの売れ残りを引き取りたい方
・ペットショップによく足を運ぶ方
・ペットショップで売れ残ると

 どうなるか知りたい方
・新しく仔犬や仔猫をペットショップで

 購入する予定の方

こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です!

可愛い子犬や子猫が店頭に並ぶペットショップ。

購入する予定が無くても
ついつい足を運んでしまいますよね!

しかし、売れ残った動物はどうなるのでしょうか?

「もし殺されるぐらいなら自分が引き取りたい!」という方も多いはずです。

そこでこの記事では、
ペットショップの売れ残り」について、
現役獣医師でペットショップでアルバイト歴もある
私が丁寧に解説していきます!

結論から言うと、最近では
売れ残った動物が殺処分される
ことはまずありません。

この記事を読んでくださっている読者の方は
ペット保険に加入していますか?

私は毎日動物病院で働いていますが、
動物の医療費は本当に高く、
ペット保険に入っておけばよかった・・・」と
後悔する飼い主様を何十人と見てきました。

数々のペット保険がありますが、
獣医師である私が自信を持ってオススメする
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必ずペット保険に加入して安心した
ペットライフを送ってくださいね!

タップできる目次

ペットショップで売れ残るとどうなるの?

ペットショップで売れ残る犬

結論から言うと、ペットショップで売れ残った動物たちには以下のような対処が行われます。

・ボランティア団体が里親を探す
・専門の買取業者に引き取ってもらう
・ブリーダーの元に返却される
・ペットショップの看板犬になる

・ペットショップのスタッフが引き取る

ボランティア団体が里親を探す

最も多いパターンとして、
ボランティアによる里親探しや譲渡会が行われます。

最近では、国や行政が主導して
動物の殺処分0」を目指しており、
ペットショップ側も責任を持って里親探しに
取り組んでいます。

里親探しや譲渡会で引き取る場合も
無料になることはほとんどありません。

獣医師による健康診断、ワクチン・避妊去勢などで多額のお金がかかっているからです。

基本的に1頭あたり2〜6万円程度かかります。

最近は里親探しや譲渡会を
代行する業者も増加し、
売れ残って殺処分されることは
ほぼありません。

専門の買取業者に引き取ってもらう

最近はペットショップで売れ残った動物を
買い取るサービスを行う業者が増えています。

買取業者は買い取った動物を独自のルートで
再度販売します。

ブリーダーの元に返却される

一部のブリーダーは売れ残った動物を
引き取ってくれます。

自分の周りの人に譲渡したり、
繁殖用に自分で育てることがあるそうです。

ペットショップの看板犬になる

最近はSNSの発達で、集客のために
若者の興味を惹く必要があります。

TikTokなどでペットショップの公式アカウントなどを
見たことがありませんか?

売れ残ったワンちゃんを看板犬にすることで
SNS受けを狙うペットショップも増えています。

ペットショップのスタッフが引き取る

ペットショップで毎日お世話をしていると
動物に情が移ってしまうケースもあります。

売れ残るぐらいなら私が引き取る!」と
ペットショップの店員さんが引き取ることも
よくあります。

ペットショップ側も売れ残って
処分されることだけは避けたいので、様々な方法で動物の引き取り手を探します。

ペットショップの売れ残りに関する迷信

悩む女性のイラスト

勘違いしがちな迷信について
解説していきます。

・保健所送りや殺処分にはならない
・悪徳ペットショップはいまだに存在する

保健所送りや殺処分、実験動物にはされない

多くの方が、売れ残った動物に対して
以下のようなイメージを持っているそうです。

・保健所に送られる
・動物病院などで殺処分される
・実験動物として使われる

保健所は行政と協力し殺処分0を目指しているため
不必要な殺処分は100%行いません。

実験動物についても、
厳密な遺伝子管理や衛生管理が求められるため
ペットショップで売れ残った動物が
実験動物として使われることは100%ありません。

皆様が心配しているようなことはほとんど起きませんよ!

未だに悪徳ペットショップは存在する

最近では日本でも動物愛護の考えが浸透し、
数多くの悪徳業者が行政処分を受けてきました。

・わざと餓死させて
 ブリーダー側の責任にする
・死んでしまった動物を

 冷凍してからゴミとして捨てる
・病気の存在を隠して売り付ける

信じられないと思いますが、一昔前は
以上のようなことを平然と行うペットショップが
数多く存在していました。

現在はほぼ全てのペットショップが
動物に愛情を持って世話をしていますが、
未だに悪徳業者は存在するようです。

獣医師として働いていると
色々噂を聞きます・・・

最近でも超有名ペットショップの劣悪な
飼育環境が明らかになりましたよね。

ペットショップで購入する時は
動物の表情やお店の清潔具合を確認して
適切な飼育管理がされているか
気にかけてくださいね。

ペットショップで売れ残った動物を
引き取りたい場合

ペットショップで売れ残った子を引き取りたい場合

大前提として、売れ残った動物を無料で引き取ることはできません

・無料で引き取ることはほぼできない
・値段の交渉はできる

無料で引き取ることはほぼできない

ペットショップはペットやペット用品を
販売して経営を行っています。

ペットショップからすると、
売れ残っている動物も大切な「商品」です。

動物を飼育する中で発生する食費や光熱費、人件費は非常に高額なため、
売れ残っている動物でも

無料で引き取ることはほぼできません。

無料にしてくれ!と過度に
要求することはやめましょう。

常識の範囲内で価格交渉をすることは可能

一方で、ペットショップ側も売れ残っている動物を
早く売りたいと思っています。

少しでも安く購入したい方は、以下の2点を
説明してから価格交渉を行ってみましょう。

①この子を確実に購入する意思があること
②無料にならないことは理解していること

多くの場合で必ず購入するという約束の上、
値引きをしてくれます!

私の友人は売れ残ってしまった
20万円の柴犬を
10万円で購入していました!

ペットショップで売れ残った動物を
飼うメリット

ペットショップで売れ残った子を飼うメリット・デメリット

次にペットショップで売れ残った子を飼うメリットを
じっくり解説していきます!

ペットショップで売れ残った子を飼うメリットは
以下の通りです。

・相場よりも安い値段でペットを購入できる
 (無料での引き取りはほぼできない)
・最も世話が大変なパピー期を

 経験しなくて済む
・動物福祉につながる

相場よりも安い値段でペットを購入できる

ペットショップ側は売れ残った動物を早く売ろうとして値下げすることがほとんどです。

子犬・子猫が一番可愛いと思われる時期は
生後2〜4ヶ月ごろです。
この時期を超えると体格も大きくなるため徐々に値下げが始まります。

年齢や成長具合を気にしないのならば、
売れ残っている子を購入することをお勧めします。

繰り返しになりますが
無料で引き取ることは
基本的にできません。

最も世話が大変なパピー期を経験しない

子犬はパピー期 (特に生後3〜5ヶ月頃まで)と
呼ばれる時期の世話が一番大変です。

この時期はトイレも覚えていないため
家中がウンチ・オシッコだらけになりますし、
歯が痒いためにあらゆる物を噛もうとします。

社会化の時期でもあるため、正しい方法で
外の世界に慣れさせる必要もあります。

このパピー期の世話をしなくて
済むというのは、
ペットショップで売れ残っている動物を

飼う大きなメリットです。

ペットショップでしつけをしていない場合は、
パピー期を過ぎてもトイレを覚えていなかったり
噛み癖が残っている場合もあります。

購入する前に担当の方にしつけの状況を
確認するようにしてください。

動物福祉につながる

ペットショップで売れ残った子は
ボランティア団体が里親を探したり、
専門の買取業者に依頼して引き取ってもらうなどして新たな生活場所に移動します。

1番の理想はブリーダーから
直接購入することですが、
ペットショップで売れ残った子を飼うことは、一匹でも不幸な動物の数を減らすことに繋がります。

ペットショップで売れ残った子を
飼うデメリット

ペットショップで売れ残った子

ペットショップで売れ残った子を飼うデメリットは
以下の通りです。

・トイレ・しつけが大変
(社会化期に十分な刺激を受けていないため)
・しばらくの間は自宅で付きっきりで

 面倒を見ないといけない
・性格が既に形成されている

トイレ・しつけが大変

気軽にペットショップで売れ残った子を飼うことはオススメしません。

なぜなら、ペットショップで売れ残った子を
飼うには相当な覚悟と時間が必要だからです。

犬には社会化期と呼ばれる期間が存在します。

犬は生後3週間~14週間(生後3ヶ月半)
までに経験した刺激を受けて、
犬や人間の世界のルールを学びます。
この期間を社会化期と呼び、

犬の性格が形成される上でとても大切です。

社会化期にたくさんの犬と遊んだり、
たくさんの愛情を受けることで犬は多くのことを
学びます。

社会化期をペットショップで孤独に過ごした犬に
トイレやしつけを行うことは非常に大変です。

犬を初めて飼う方は
ペットショップで売れ残った子を
選ばない方が無難です。

自宅で付きっきりで面倒を見ないといけない

売れ残った犬はトイレを覚えていない上に、無駄吠えや噛みグセが残っているため、
犬が落ち着くまで (2〜3ヶ月程度)は

誰かが付きっきりで面倒を見る必要があります。

夫婦で共働きであったり、
一人暮らしの方にはややハードルが高いですよね。

犬の飼育経験があり、自宅での時間を
しっかり確保できる場合は大丈夫です。

性格が既に形成されている

犬や猫は飼い主様の性格を敏感に察知するため、
お互いに性格が似てくることがあります。

せっかちな飼い主様のペットは
せっかちに、
温厚な飼い主様のペットは
温厚になる傾向があります。

これは社会化期に飼い主様から受けた刺激で
性格の一部が形成されるからです。

ペットショップで売れ残った子は
既に社会化期が終わり、性格が形成されている為
性格が合わずに後悔したという話をよく聞きます。

ペットショップで売れ残った子を
飼うということは非常に尊いことです。
一方で、しつけの問題や性格の

不一致など乗り越えるべき壁が多いため
よく考えてから飼うようにしましょう。

ペットショップで売れ残る理由

ペットショップで売れ残る子犬

ペットショップで売れ残る理由は様々ですが、
主に3つの理由が考えられます。

・人気犬種&猫種以外は中々売れない
・ブリーダーの数が増加し、

 需要と供給のバランスが取れていない
・コロナ禍で触れ合い体験がなくなり、

 購入の決め手に欠く

最近は犬ではトイ・プードルやチワワ、
猫ではスコティッシュなどの人気品種ばかりが
売れて、それ以外の品種が中々売れないそうです。

我が子のインスタ映えを狙う飼い主様も多く、
特に若い女性は人気品種を飼う傾向にあります。

さらにコロナ禍で触れ合い体験がなくなり、
購入の決め手に欠くことも大きな原因に
なっています。

子犬と子猫が最も売れる時期は
生後2〜3ヶ月ごろで、
生後5〜7ヶ月ごろを過ぎると
「売れ残り」と判断されます。

ペット福祉先進国のペットショップで売れ残りを防ぐ方法

大型犬と女性

ペット福祉先進国である
イギリスやスウェーデンの
取り組みをご紹介します♪

・一部の国はそもそもペットショップがない
・ペットの販売は必ず対面で行う

一部の国ではそもそもペットショップがない

最近では「ペットショップでの生体販売が
動物福祉に反する」という考えが浸透し、
イギリス、オーストリア、ドイツ、スウェーデンなどにはペットショップがありません。

厳密に言うと、
ペットショップ自体はありますが
フードやペット用品のみを販売しており、動物は販売されていません。

生誕販売が禁止されている
ヨーロッパ諸国でペットを飼う場合は、
直接ブリーダーを訪問する必要があります。

日本では2012年に動物愛護管理法が
改正され、
ペットショップでの生体展示は

午前8時から午後8時までとなりました。

もちろん、
この対策でも諸外国と比較したらまだ不十分です

ペットの販売は必ず対面で行う

ペット福祉先進国であるフランスでは、
新しく犬や猫を購入する場合は
ブリーダーからの直接購入だけとなっています。

ペットショップやオンラインショップでの一目惚れを防ぎ、
本当に動物を飼いたい人しか

購入できないようになっています。

このようにペット福祉が進むヨーロッパ諸国では
ペットショップでの売れ残りを防いでいます。

【2024年】最新のペットショップ売れ残り事情

2023年最新のペットショップ売れ残り事情

2024年最新のペットショップの売れ残り事情を解説します。

最近話題となったクーアンドリク (Coo&RIKU)の
ニュースからも分かるように、
日本はまだまだペット福祉先進国ではありません。

コロナ禍のペットブームが落ち着いた

2020年〜2023年はコロナ禍による
自宅時間の増加で、
ペットを新しく購入する方が急増しました。

しかし、2023年末ごろに入るとコロナ禍による
ペットブームが落ち着き、
ペットショップの売り上げは激減しました。

ペットの需要が低下したことで、
売れ残る動物が増加して大きな問題となっています。

子犬・子猫の値段が急激に値上がりしている

ロシアのウクライナ侵攻による
電気代やペットフードの値上りなどが影響し
子犬・子猫の値段が急激に値上がりしています。

数年前と比較して、
1匹当たり5〜10万円近く値上がりしており
売れ残る動物の数もどんどん増加しています。

【最新情報】あるペットショップが大炎上した

2023年9月9日、とあるペットショップの
実態がニュースになり話題となりました。

・大量生産をして売れ残ったら里親を探す
・無麻酔での帝王切開を行う
・ゴキブリ、ネズミを繁殖場で毎日見かける

・ケージは糞尿で汚れている

正直に言うと、獣医師であれば
一度は聞いたことがある噂のため驚きはありませんでした。

利益至上主義のペットショップは数多く存在します。

今回に事件のように実態が明かされる
ケースは氷山の一角であり、
一刻も早く日本でもペットショップでの生体販売が禁止されることを願っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本記事の重要ポイントをまとめました。

・ボランティア団体や買取業者などが
 売れ残った動物の里親を探す

・売れ残った動物が殺処分されることは

 ほとんどなくなった

・ペットショップで売れ残った動物を

 飼う場合は値段が安い一方で、
 しつけのハードルが高い


・売れ残った動物を無料で引き取る

 ことはできないが安く購入可能

・欧米諸国ではペットショップでの

 生体販売が禁止されている

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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