【獣医師国家試験の合格率】大学別の合格率は?岡山理科大は?

獣医師国家試験のマークシート
こんな方に最後まで読んでいただきたいです!

・獣医師になりたい方
・獣医師国家試験に合格したい方
・獣医師という職業に興味がある方
・獣医師国家試験の合格率が知りたい方

こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です。

子供のなりたい職業ランキングでは
常に上位の獣医師という職業。

獣医師になるためには、全国に17ある
獣医学系大学に合格して6年勉強した後に
獣医師国家試験に合格しなければなりません。

この獣医師国家試験の合格率は
大学によって大きく異なります。

そこでこの記事では、
獣医師国家試験の全体の合格率
大学別の合格率について解説していきます。

「記事を読むのがめんどくさい!」
という方に結論を先にお伝えすると、
今年の獣医師国家試験合格率は72.7%、
岡山理科大学の合格率は67.5%でした。

目次

獣医師国家試験の合格率は80%前後

2023年の全体の合格率は69.9%
最新2024年の全体の合格率は72.7%でした。

例年、合格率は新卒で約85〜90%
既卒生 (1度不合格となり2回目以降の受験)で約40%です。

全体の合格率は80%弱ですが、
近年合格率が大きく低下していることから
問題内容は毎年難化していると考えられます。

この2年は国家試験の合格率が
大きく低下しています。

2023年度の医師国家試験の合格率は91.6%
ですので、それと比較しても
獣医師国家試験はかなり手強い試験といえますね。 (受験層が異なるため単純比較はできませんが。)

【2024年最新】獣医師国家試験合格率

全17大学別の獣医師国家試験
合格率を見ていきましょう。

国立トップの合格率は鳥取大学の97.1%(34/35)
私立トップの合格率は北里大学の88.9%(96/108)
注目の岡山理科大学は67.5%(77/114)
と、全大学で最低の合格率となりました。

ちなみに、岡山理科大学 (加計学園) の
獣医学部は2018年に開設したため、
2024年度から1期生の獣医師国家試験が
スタートしています。

【最新】17大学別の獣医師国家試験合格率

大学名受験者数合格者数合格率
北海道大学393794.9%
帯広畜産大学383284.2%
岩手大学282485.7%
東京大学231460.9%
東京農工大学413790.2%
岐阜大学292896.6%
鳥取大学353497.1%
山口大学272281.5%
宮崎大学272592.6%
鹿児島
大学
322887.5%
大阪公立大学413380.5%
酪農学園大学11910184.9%
北里大学1089688.9%
日本獣医生命科学大学786988.5%
日本大学12110486.0%
麻布大学12910782.9%
岡山理科大学
(加計学園)
1147767.5%
新卒者1.02986884.4%
既卒者34813739.4%
その他17847.1%
合計1,3941,01372.7%

過去10年間で最低の合格率を記録した去年よりも
合格率は上昇しましたが、
今年も例年より低めの合格率となりました。

数年前までは80~90%の合格率でしたが、ここ最近は約70%と
合格率は大きく低下しています。

不足している産業動物獣医師育成のためと
銘打って設立された岡山理科大学は、
入学者数140名、受験者数114名、合格者数77名
であり、実質的な合格率は約55%程度です。

岡山理科大にとっては初めての国家試験という
こともあり、
私立大学としては極めて低い合格率
なってしまいました。

今後の結果に注目です。

私立大学は国家試験のサポート体制が
手厚いため、国立大学よりも
合格率が高い傾向にありますが、
今年は国立の方が好成績でした。

過去の大学別の獣医師国家試験合格率

下の表は新卒のみの合格率を表したもので、2023年 (第74回) の合格率の高い順に上から並べています!

スクロールできます
大学名2018年
第69回
2019年
(第70回)
2020年
(第71回)
2021年
(第72回)
2022年
(第73回)
2023年
(第74回)
山口大学100.0%96.4%84.8%100.0%83.3%94.3%
岩手大学96.8%96.7%94.4%80.0%93.3%93.8%
鳥取大学94.7%91.4%93.9%100.0%96.9%92.1%
鹿児島大学96.7%90.3%96.9%84.4%89.3%90.0%
日本大学97.5%95.5%97.5%94.8%92.0%87.1%
北里大学96.8%90.7%96.6%91.7%94.3%86.5%
麻布大学96.4%84.2%95.6%92.5%82.2%83.7%
酪農学園大学94.4%90.7%82.9%92.6%82.0%80.5%
北海道大学97.4%97.3%95.6%92.5%84.6%79.5%
帯広畜産大学100.0%75.0%100.0%93.0%83.3%78.3%
東京農工大学97.1%100.0%94.4%95.1%94.3%76.9%
日本獣医生命科学大学98.9%98.7%96.8%92.7%93.9%72.4%
大阪公立大学97.8%91.3%95.3%84.6%88.4%70.7%
岐阜大学100.0%100.0%100.0%83.3%97.1%69.7%
宮崎大学96.6%87.5%96.7%96.3%90.0%67.9%
東京大学93.5%95.8%92.3%90.9%83.9%51.7%
新卒の平均合格率96.9%91.7%94.2%92.1%88.6%81.1%
既卒の平均合格率62.2%26.0%48.0%37.6%42.0%27.7%
合計88.3%82.6%86.5%83.2%80.3%69.9%

2023年 (第74回)の大学別合格率1位は山口大学で94.3%でした。山口大学は過去6年で2回も100%となるなど、
常に安定した成績を残しています。
第2位は岩手大学、3位は鳥取大学、4位は鹿児島大学となりました。
上位4大学は全て国立大学で、難易度の高い2023年度でも合格率が90.0%を超えており、実力の高さがうかがえます。

反対に、合格率最低となったのが東京大学で51.7%でした。
東京大学の学生は研究の道に進む方が多く、獣医師免許を必要としない学生も多いため例年合格率は低くなります。

ここで重要なことが、
偏差値が高い大学 ≠ 獣医師国家試験の合格率が高い大学 であるということです。

入学時の偏差値が比較的低い私立大学や地方国立大学の方が、獣医師国家試験の合格率は高い傾向にあるのです。

特に私立大学は、国家試験の前に卒業試験というものが実施されることが多く、
卒業試験に合格しないと獣医師国家試験を受験することができないのです。
また、大学が提供する国家試験の対策授業の質も高いといわれています。

学費の高さを許容できる方であれば、私立大学の方が獣医師国家試験は有利といえるでしょう。

獣医師国家試験とは

全国に17 ある獣医学系大学を無事に卒業し、年に1回の獣医師国家試験に合格すれば晴れて獣医師となります。 

では、獣医師国家試験とはどのような試験なのでしょうか?

受験資格

受験資格は以下の項目のいずれかを満たす人です。

①現行の大学の獣医学の正規の課程(6年制)を修めて卒業した者

②昭和53年4月1日から昭和59年3月31日までに大学に入学して獣医学の正規の旧課程(4年制)を
 修めて卒業した者であって、大学院において獣医学の修士の課程を修了した者

③外国の獣医学校を卒業し、又は外国で獣医師の免許を得た者であって、獣医事審議会が
 獣医師法第12条第1項第1号に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有すると認定した者

獣医師国家試験予備試験に合格した者

ほとんどの方が①を満たすことになるため、①の方に向けて解説していきます。

ちなみに、獣医師国家試験予備試験とは、外国の獣医師免許を持つ方
日本の獣医師国家試験を受けるために受験する試験で、獣医師国家試験予備試験に合格すると
本試験を受験することができます。

今年は8月に獣医師国家試験予備試験が実施されます。

獣医学系大学 全17大学まとめ

日本において獣医師国家試験の受験資格が得られる大学は17校あります。

獣医師になるためには、この大学のいずれかを卒業しなければなりません。

スクロールできます
大学名区分学部名定員所在地偏差値
北海道大学国立獣医学部 共同獣医学課程35名北海道札幌市65.0
帯広畜産大学国立畜産学部 共同獣医学課程40名北海道帯広市60.0
酪農学園大学私立獣医学群/獣医学類120名北海道江別市55.0
北里大学私立獣医学部/獣医学科120名青森県十和田市57.5
岩手大学国立農学部/共同獣医学科30名岩手県盛岡市60.0
東京大学(理科Ⅱ類)国立農学部/獣医学課程30名東京都文京区67.5
東京農工大学国立農学部/共同獣医学科35名東京都府中市62.5
日本獣医生命科学大学私立獣医学部/獣医学科80名東京都武蔵野市57.5
麻布大学私立獣医学部/獣医学科120名神奈川県相模原市60.0
日本大学私立生物資源科学部/獣医学科120名神奈川県藤沢市57.5
岐阜大学国立応用生物科学部/共同獣医学科30名岐阜県岐阜市62.5
大阪公立大学公立獣医学部40名大阪府泉佐野市60.0
鳥取大学国立農学部/共同獣医学科35名鳥取県鳥取市60.0
山口大学国立共同獣医学部/獣医学科30名山口県山口市62.5
岡山理科大学私立獣医学部/獣医学科140名愛媛県今治市55.0
宮崎大学国立農学部/獣医学科30名宮崎県宮崎市62.5
鹿児島大学国立共同獣医学部/獣医学科30名鹿児島県鹿児島市62.5

私立大学は学費が高い分、入学の難易度は国立と比較して易しくなります。
反対に、国立大学と公立大学は学費が安い分、求められる偏差値は高い傾向にあります。

学費などの詳細は以下の記事で詳しく解説しています。是非お読みください!

獣医師国家試験のオススメ勉強法

獣医師国家試験を勉強する人

獣医師国家試験の範囲は膨大

獣医学生の方や受験生の方に向けて、私個人のオススメの獣医師国家試験の勉強法を紹介します。

特に国立大学の方は、卒業論文の提出が11〜12月ごろなので、
2月に実施される獣医師国家試験の対策期間は2ヶ月程度しかありません。

獣医師国家試験の出題範囲は6年間で学習する全範囲のため、
全ての教科書のページ数を合計すると10万ページはゆうに超えています

2ヶ月でこの範囲を網羅することは不可能なので戦略的に勉強を進めましょう。

とにかく過去問を解きまくろう

出題範囲を6年間の全範囲ですが、全ての分野から満遍なく出題されるわけではありません

感染症や病理学、薬理学などの範囲から重点的に出題されます。

これらの傾向を掴むためにも、過去問をひたすら解きましょう
知識が不十分な時から過去問を解いてOKです。過去問を解きながら知識を吸収するイメージです。

過去問に出ている問題は、出題者からの「ここだけは理解していて欲しい」というメッセージです。
とにかく早く過去問を解き始めましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は獣医師国家試験大学別の合格率などについて紹介しました。


獣医師国家試験の合格率は80%前後ですが、近年は合格率が低下傾向にあります。

大学別の合格率は私立大学地方国立大学で高い傾向にあり、
反対に東京大学や北海道大学などの国立大学で低い傾向にあります。

国家試験の対策授業の質や準備期間の長さを考慮すると、
学費の高さを許容できるのであれば私立大学をオススメします!

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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