こんにちは、獣医師ももです。
この記事では、犬に噛まれた時の正しい対処法を解説しています。
・犬に噛まれた時の正しい&NG対処法は?
・病院は何科を受診すれば良い?
以上のような、犬に噛まれた時の質問にお答えします。
・犬に噛まれた時の正しい対処法
・病院は救急外来へ
・気をつけたい感染症
・治療後の対応
※「猫にひっかかれた時の正しい対処法を知りたい」という人はこちらをお読みください。
》【猫にひっかかれた!】傷が腫れた時の正しい対処法
犬に噛まれた時の正しい対処法
大きな声で犬を刺激しない
犬に噛まれたら、誰もがビックリして叫んだり泣いたりしてしまいます。
しかし、この行動はとても危険です。犬が人を噛む状況では、犬は極限の興奮&戦闘態勢です。
この状況で犬を音で刺激してしまうと攻撃行動はエスカレートします。
犬に噛まれたら、静かに犬から距離を取り、これ以上噛まれないようにしましょう。
噛まれたらすぐに流水で洗い流す
噛まれたらすぐに水道水で傷口を洗い流しましょう。最低でも5分以上は洗い流してください。
石鹸があれば出来るだけ使用しましょう。 (*水道水だけでも十分洗浄は可能です。)
この時、傷口を絞り出すように洗うとより効果的です。
水で洗い流していると、血が出てきて不安になりますが気にせず洗い続けてください。
洗い終わったら傷口の確認
洗い終わったら傷口を丁寧に確認してください。
皮膚が破れておらず血が出ていなければ、多くの場合は病院を受診しなくても大丈夫です。
*お年寄りや子供の方、糖尿病など免疫が低下する持病をお持ちの方は念の為病院を受診しましょう。
皮膚から出血が見られる場合、赤く腫れたりしている場合はすぐに病院を受診しましょう。
犬の口には、様々な細菌やウイルスが存在するため、小さな傷でも油断はできません。
必ず病院を受診するようにしてください。
病院は救急外来へ
犬に噛まれた時は、救急外来への受診が基本です。
病院では、犬に噛まれたこと・噛まれた時間などを伝えましょう。
病院での処置は、
①傷口の消毒 ②抗生物質の投与と処方 ③破傷風ワクチン接種 ④傷の縫合 などが行われます。
*医師の判断で異なる場合もあります。
この際、医師の指示には従い、処方された抗生物質は必ず飲み切りましょう。
犬に噛まれた時に気をつけたい感染症
狂犬病
犬に噛まれた時、最も注意すべき病気は狂犬病です。発症後の死亡率は100%と恐ろしい病気です。
日本国内では70年以上発生していませんが、他人の犬に噛まれた際は念の為狂犬病ワクチンを接種しているか確認しましょう。
海外では、現在も多く発生しているため海外旅行の際には、野良犬や野生動物には絶対に近づかないようにしてください。
破傷風
破傷風菌が傷口から侵入して、産生する毒素により神経症状や呼吸困難などが見られます。
過去10年間で破傷風ワクチンを接種していない方は、抗体価 (身体の防御力)が下がっている場合もあるため、病院で破傷風ワクチンを接種すると良いでしょう。
パスツレラ症、猫ひっかき病などその他の細菌感染症
犬の口には常在菌といって様々な細菌が常に存在します。
その中でも、パスツレラ症や、バルトネラ菌による猫ひっかき病、カプノサイトファーガ症などには
注意が必要です。
免疫力の低下している人、高齢者、子供などは重症化しやすいため、
傷口やリンパ節の腫れ、倦怠感、発熱などが見られた場合はすぐに病院を受診しましょう。
治療後の対応
犬に噛まれたら、怪我の治療だけだは済まないことがよくあります。
面倒ですが、後々のトラブルを避けるためにも以下の正しい行動を心掛けましょう。
保健所・警察への連絡
他人の犬に噛まれた、自分の犬が他人を噛んでしまった場合などは、
治療以外にも保健所・警察への連絡を行いましょう。
治療費や慰謝料の請求などの金銭トラブルを避けるためにも、速やかに保健所と警察に咬傷事故として忘れずに事故届を出しましょう。
野良犬に噛まれたら
野良犬に噛まれた場合は、保健所が次の事故を防ぐために野良犬を捕獲します。
その後、野良犬が狂犬病に感染していないかを検査します。
野良犬は様々な病原体を保有している可能性が高いため、傷の状態に関わらず
すぐに医師の診察を受けましょう。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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