こんにちは、獣医師ももです。
この記事では、犬の混合ワクチンに関する情報を解説しています。
毎年打たないとダメ?
6種、8種の違いは?
副作用は?
・6種、8種とは予防できる病気の数の違い
・混合ワクチンを毎年打つ必要ナシ!
・副作用は確かに存在
・かかりつけ医に相談しましょう
6種、8種とは予防できる病気の数の違い
犬の混合ワクチンには、6種・8種・10種と大まかに3種類のワクチンがあります。
基本的に6種か8種のワクチンを打つため、本記事では6種と8種に絞って解説します。
6種ワクチン
6種ワクチンでは、
①犬ジステンパー
②犬パルボウイルス感染症
③犬伝染性肝炎
④犬コロナウイルス感染症
⑤犬アデノウイルス2型感染症
⑥犬パラインフルエンザウイルス感染症
の6種類の感染症を予防することができます。
特に①〜③の3つ感染症は、感染力と死亡率が高いです。
そのため、これらに対するワクチンを「コアワクチン」と呼び、
全ての犬が抗体 (体が持つ武器) を持つべきと考えられています。
8種ワクチン
8種ワクチンでは、6種ワクチンで予防できる感染症に加えて、
レプトスピラ感染症という、細菌が原因の感染症の2タイプを予防できます。
(6種+レプトスピラの2タイプ=8種)
レプトスピラ感染症は、感染ネズミのおしっこに細菌が排泄されます。
排泄された細菌は、土や泥に潜み、皮膚の傷や粘膜から感染します。
頻繁に川や山で、土や泥遊びをする犬には
6種ではなく8種ワクチンを打つことをオススメします。
混合ワクチンを毎年打つ必要は無い
結論から伝えると、混合ワクチンを毎年打つ必要はありません。
世界小動物獣医師会 (WSAVA) も、1歳までに適切なワクチン接種をしていれば
コアワクチンは3年以上の間隔を空けることを推奨しています。
*大前提として、日本で暮らす犬には毎年の狂犬病ワクチンが義務付けられています。
必ず、4月から6月の間に狂犬病ワクチン接種は済ませておきましょう。
日本では、狂犬病ワクチンと同様に混合ワクチンも1年に1回の接種が習慣となっています。
しかし、1歳までにしっかりと混合ワクチンを打っていれば、コアワクチンについては、
3年間 (最長で7年間)有効という報告があります。
つまり、再接種には3年以上の間隔を空けるべきであり、
毎年の抗体検査を行い、必要に応じて混合ワクチンを接種することが理想的です。
ワクチンの副作用は確かに存在する
ワクチンを打つことで、アナフィラキシーやアレルギー様症状が現れることを
「ワクチンの副作用」と言います。
(*正確には、「副反応」と呼びますが本記事では分かりやすい表現を使用します)
犬では混合ワクチンによる副作用が出る確率は、1万頭あたり5〜10頭程度と推定されます。
一方で、人では100万に1人の確率と言われているため、人と比べても
犬での副作用は非常に多いことが分かります。
ワクチンとは、体内に病原体を注射して体の防御力を高める行為です。
当然、接種回数は少ない方が良いことは言うまでもありません。
まずはかかりつけ医に相談しましょう
ほぼ全ての病院で感染症の抗体検査は実施できますが、まずは一度かかりつけ医に相談しましょう。
抗体が十分残っていることがわかれば、「抗体検査証明書」が発行されます。
これは、「ワクチン接種証明書」と同等の効力を持つため、
ドッグランやペットホテルの利用が可能となります。
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