【犬のパテラ】犬の膝蓋骨脱臼を理解しよう!【獣医師が徹底解説】

こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です。
この記事では、犬の膝蓋骨脱臼について解説しています。
膝蓋骨脱臼の症状・治療についても分かりやすく解説していますのでゆっくりとご覧ください。

犬のパテラって?
膝蓋骨脱臼の症状・治療法・予防法を教えてください。

以上のような、犬の膝蓋骨脱臼についての質問にお答えします。

✔︎この記事の内容
・犬の膝蓋骨脱臼 (パテラ) ってどんな病気?
・膝蓋骨脱臼になりやすい犬種
・膝蓋骨脱臼の治療法
・膝蓋骨脱臼の予防法
目次

膝蓋骨脱臼 (パテラ) ってどんな病気?

膝蓋骨脱臼とは

動物病院やネットの記事でよく耳にする「パテラ」という単語。
日本語での意味は「膝蓋骨」ですが、一般には膝蓋骨脱臼のことを表します。

つまり、パテラ=膝蓋骨脱臼、と考えてよいでしょう。

正常であれば、膝蓋骨は太ももの骨 (大腿骨) の溝に収まっています。
膝蓋骨のおかげで膝関節を滑らかに、まっすぐ曲げ伸ばしすることができます

膝蓋骨が、膝の内側に外れる状態を「内方脱臼」、外側に外れる状態を「外方脱臼」といいます。
犬で最も多いのが内方脱臼です。

なぜ脱臼するの?

膝蓋骨脱臼の主な原因は先天性後天性の2種類があります。

先天性 (遺伝性)は 、膝蓋骨が収まっている溝が浅いなど、
成長期に骨や靭帯、筋肉の形成に異常が生じることで発症します。
小型犬はこのパターンが圧倒的に多いです。

後天性には、交通事故や階段からの転落、散歩中に滑ったなどにより
膝に強い力がかかることで生じることがあります。

膝蓋骨脱臼になりやすい犬種

膝蓋骨脱臼は全ての犬種で発生する可能性があります。

特に、トイ・プードルポメラニアンチワワヨークシャー・テリアパグなどの
小型犬で多く見られます。

小型犬を飼育されている方は特に注意が必要です。

膝蓋骨脱臼の治療法

治療はグレード判定を行ってから

膝蓋骨の脱臼の程度によって、グレード1からグレード4まで分類されます。

グレード1:膝蓋骨は普段は正常な位置に収まっていますが、手で押すと簡単に脱臼する状態です。
      通常無症状ですが、まれに脱臼した際にキャンと鳴いて後ろ足を挙げたり、スキップしたり
      するなどの歩行異常がみられます。

グレード2:膝蓋骨は普段は正常な位置に収まっていますが、足を曲げた時に頻繁に脱臼する状態です。
手で押すと正常な位置に戻すことができます。脱臼時には後ろ足を挙げたり、スキップした
      りするなどの歩行異常がみられます。

グレード3:膝蓋骨は常に脱臼しています。手で押すと一時的に正常な位置に戻ります。
      後ろ足を挙げたり、スキップしたりするなどの歩行異常がみられます。

グレード4:膝蓋骨は常に脱臼した状態で、手で押しても正常の位置に戻すことができません。後ろ足を
      曲げたままの状態でうずくまったり、歩行することができません。

主な治療法

グレード1〜2で症状が軽度の場合や、手術ができない場合には保存療法を行います。
保存療法は、痛み止めの内服激しい運動をしないダイエット生活環境の改善などです。

歩行異常がひどい場合や頻繁に脱臼している場合には外科手術を行います。
様々な術式がありますが、犬種や脱臼の状態、年齢などを総合的に判断して
最も適した術式を選択します。

治療費は、保存療法の場合は数万円〜10万円程度ですが、外科手術は40〜50万円程度になります。

膝蓋骨脱臼の予防法

膝蓋骨脱臼の予防は、膝関節に負担をかけないようにすることが最も重要です。

一つ目は、床材のチェックです。自宅がフローリングの方は特に注意が必要です。
滑るような状況は膝に大きな負担をかけてしまうので、
カーペットを敷くなどして犬が滑らないようにしましょう

ダイエットも有効な予防法です。
体重が増えると膝に余計な負担がかかってしまうからです。

高い階段から飛び降りたり、激しく運動をすることも、膝に大きな負担をかけてしまいます。
犬が高いところに登れないような工夫、散歩の行き過ぎなどに注意してください。

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

ブログ村にも参加しています。
今回の記事が役に立ったという方は応援クリックよろしくお願いします。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次