こんにちは、ポケモンが大好きな獣医師もも (@juishi_momo)です。
この記事では、ポケモンセンターが現実世界に存在していた場合、
ポケモンの治療費はどのくらいになるのかを真剣に考察していきます。
ポケモンセンターとは
ポケモンの世界では、ポケモントレーナーが最強のポケモントレーナーになることを夢見て、
自分たちのポケモンを日々戦わせています。
傷ついたポケモンや”ひんし” (体力がなくなり戦えない状態)は
ポケモンセンターという場所で無料で回復させてもらえます。
(おそらく、ポケモンの世界の税金や保険料はとんでもなく高いのでしょう・・・)
ここでふと疑問に思いました。
実際のポケモンセンターの治療費ってどれくらいなの???
現実にポケモンが存在した場合、治療するのは獣医師です。
そこでポケモン歴20年以上の獣医師である私が超真面目に考察していきます。
*ポケモンの世界に医療保険は存在しないので全額負担として計算します。
6体の手持ちポケモン
6体の手持ちポケモンを私の好みで選ばせていただきました。
①ピカチュウ ②リザードン
③ゲッコウガ ④ガオガエン
⑤ルチャブル ⑥ウオノラゴン
このポケモンたちのひんしになった状況を設定していきます。
ひんしになった時の状況
①ピカチュウは、ファイヤーとの戦闘でやけど状態になり、ひんし。
②リザードンは、カメックスのハイドロカノンを受けて溺死に近い状態でひんし。
③ゲッコウガは、フクスローのリーフブレードで全身を切り裂かれひんし。
④ガオガエンは、ドガースの毒ガスを受けて毒状態でひんし。
⑤ルチャブルは、とびひざげりを外して、前十字靭帯断裂状態でひんし。
⑥ウオノラゴンは、エラガミをした時に第四前臼歯2本を破折してひんし。
どれもゲームの状況になるべく近い状態で状況を設定しました。
改めて文字にするとかなり凄惨な状況です(笑)
普通のポケモントレーナーでは失神してもおかしくない状況ですね・・・
それぞれの治療費
では、次にそれぞれの治療費を考えていきます。
ピカチュウの治療費
ピカチュウは、ファイヤーとのとの戦闘でやけど状態になり、ひんしとなりました。
やけどは言うまでもなく生死に関わる危険な状況です。
今回は運良く軽いやけどと仮定しましょう。
熱傷治療では、熱傷の重症度・範囲など様々な要因を確認した後に、
点滴で脱水状態を防ぎ、軟膏・抗生剤などを使用して細菌感染を防ぎます。
大まかに計算して、以下の通りです。
点滴代・・・1,000円
抗生剤(7日分)・・・3,000円
合計・・・6,500円
リザードンの治療費
リザードンは、カメックスのハイドロカノンを受けて溺死に近い状態でひんしとなりました。
この状態では間違いなく入院が必要となります。
溺れた時の主な合併症は、誤嚥性肺炎・肺水腫・低酸素症・低体温症などです。
リザードンの炎は非常に高温で岩をも焼き、何でも溶かすといわれているので
低体温症は考慮しなくてよいでしょう。
誤嚥性肺炎や肺水腫を確認するためのCT検査が必要と考えられます。
低酸素症を治療するため酸素吸入は必須です。
大まかに計算して、以下の通りです。
入院7日・・・70,000円
CT検査・・・50,000円
酸素吸入(7日分)・・・5,000円
抗生剤(7日分)・・・3,000円
合計・・・130,500円
ゲッコウガの治療費
ゲッコウガは、フクスローのリーフブレードで全身を切り裂かれひんしとなりました。
ゲッコウガはカエルがモチーフなので、皮膚はとても薄いと考えられます。
そのため、傷は筋肉や臓器にまで達していると考えてよいでしょう。
傷口を長径約20cmが2箇所で、計40針縫ったとすると、縫合で約60,000円かかります。
細菌感染を防ぐための抗生剤も必要でしょう。
大まかに計算して、以下の通りです。
縫合の処置代・・・60,000円
抗生剤(7日分)・・・3,000円
合計・・・65,500円
ガオガエンの治療費
ガオガエンは、ドガースの毒ガスを受けて毒状態でひんしとなりました。
現実世界で考えると、ひんし状態になるほどの強力なガスといえば
マスタードガス、VXガス、サリンなどが考えられます。
今回はドガースの毒ガスの主成分はサリンであり、軽度の症状と仮定して考えていきます。
*野生のポケモンが人工の毒ガスを発生させるという矛盾は許してください・・・
サリンの治療には、アトロピンやプラリドキシムヨウ化メチル (PAM)などの薬が用いられます。
呼吸の確保やけいれんを止める薬も必要となるでしょう。
治療には長期の入院が必要となります。
大まかに計算して以下の通りです。
入院14日・・・140,000円
酸素吸入(14日分)・・・10,000円
解毒剤など各種薬剤(14日分)・・・10,000円
合計・・・162,500円
ルチャブルの治療費
ポケモンの世界には、攻撃を外してしまうと自分がダメージを受けてしまう技が存在します。
その代表技が ”とびひざげり” です。
ルチャブルは、とびひざげりを外して、前十字靭帯断裂状態でひんしとなりました。
獣医療の世界でも、犬が激しい運動をした時などに前十字靭帯が断裂したケースによく遭遇します。
主な治療は、痛み止めの内服や運動制限、外科手術です。
今回は外科手術で治療すると仮定します。
大まかに計算して以下の通りです。
レントゲン撮影・・・5,000円
手術代・・・400,000円
入院7日・・・70,000円
痛み止め(7日分)・・・3,000円
合計・・・480,500円
ウオノラゴンの治療費
ウオノラゴンは、エラガミをした時に第四前臼歯2本を破折してひんしとなりました。
今回は2本とも歯の神経が露出しており、保存療法ではなく抜歯が適応と仮定します。
大まかに計算して以下の通りです。
レントゲン撮影・・・5,000円
抜歯代 (2本)・・・40,000円
痛み止め(7日分)・・・3,000円
抗生剤(7日分)・・・3,000円
合計・・・53,500円
まとめ
以上の結果をまとめると、このようになりました。
リザードン・・・130,500円
ゲッコウガ・・・65,500円
ガオガエン・・・162,500円
ルチャブル ・・・480,500円
ウオノラゴン・・・53,500円
合計・・・899,000円
1回のポケモンセンターの治療費は約90万という信じられない結果となりました。
数字をよく見ると、整形疾患であるルチャブルの前十字靭帯断裂の治療が高額です。
現実の獣医療でも骨折などの整形疾患の治療費は高額なことが多いです。
かくとうトレーナーの方は十分お気をつけください!(笑)
いかがでしたでしょうか?
これからも獣医師ならではの視点でポケモンに関連する記事を投稿していきます。
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