こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です。
この記事では、ロイヤルカナンのキャットフード:「腎臓サポート」について解説しています。
フードの成分と原材料、フードの特徴、療法食の対象となる病気などを分かりやすく
解説していますのでゆっくりとご覧ください!
・ロイヤルカナンの「腎臓サポート」ってどんなキャットフード?
・慢性腎臓病の猫にオススメのフードは?
以上のような、ロイヤルカナンのキャットフード「腎臓サポート」に関する質問にお答えします。
・猫を初めて飼われた方
・高齢の猫を飼われている方
・猫が慢性腎臓病や尿路結石と診断された方
・猫の「腎臓サポート」の購入を考えている方
・猫の「腎臓サポート」とは
・猫の「腎臓サポート」の特徴
・猫の「腎臓サポート」の対象となる病気
・猫の「腎臓サポート」はどこで買う?
猫の「腎臓サポート」とは
慢性腎臓病の猫に対して調整された療法食
猫の「腎臓サポート」とは、ペット用品の製造販売等を行うフランスの会社「ロイヤルカナン」から発売されている
慢性腎臓病の猫に与えることを目的として特別に調整された食事療法食です。
慢性腎臓病は日々の食事管理が重要
猫は加齢に伴った慢性腎臓病になるリスクが非常に高い動物です。
事実、7歳以上のシニア猫の約30〜40%が腎臓に何らかの問題を抱えているといわれています。
慢性腎臓病の猫にとって、薬を飲むことと同じくらい大切なことが日々の食事管理です。
腎臓にさらなる負担をかけてしまうため、慢性腎不全の猫が
過度なタンパク質・ナトリウム (お塩)・リンを摂取することは厳禁です。
これらの問題を解決したキャットフードが猫の「腎臓サポート」シリーズです。
猫の慢性腎臓病については、以下の記事で詳しく解説しています。是非お読みください!
≫ 【おすすめ厳選フードも紹介!】猫の腎不全のすべてを獣医師が徹底解説【完全版】
猫の「腎臓サポート」の特徴
繰り返しになりますが、腎臓サポートは慢性腎臓病の猫に与えることを目的として、
特別に調整された食事療法食です。
リンの含有量を減らし、猫の負担を考慮して高消化性のタンパク質が含まれています。
「腎臓サポート」の成分
タンパク質 | 5.9g | カリウム | 0.23g | EPA + DHA | 107mg |
脂肪 | 4.3g | リン | 0.08g | L-カルニチン | – |
食物繊維 | 2.7g | マグネシウム | 0.02g | タウリン | 0.06g |
灰分 | 1.5g | 鉄 | 3.8mg | アルギニン | 0.39g |
水分 | 1.4g | 銅 | 0.38mg | ビタミンE | 12.8mg |
炭水化物 | 11.2g | 亜鉛 | 4.3mg | ビタミンC | 5.1mg |
カルシウム | 0.2g | ナトリウム | 0.10g | ビタミンB群 | 8.61mg |
単位/100kcal
代謝エネルギー:392kcal/100g
リンとナトリウムがしっかりと制限されていることが分かります。
猫の「腎臓サポート」の原材料
・コーンフラワー、米、動物性油脂、超高消化性小麦タンパク (消化率90%以上)、コーン、超高消化性大豆タンパク (消化率90%以上)、植物性繊維、コーングルテン、加水分解タンパク (鶏、七面鳥)、チコリー、魚油 (EPA+DHA源)、大豆油、サイリウム、フラクトオリゴ糖、マリーゴールドエキス (ルテイン源)、アミノ酸類、ミネラル類、ビタミン類など
上記の成分がバランス良く配合されています。
*上記以外の成分も含まれます。
猫の「腎臓サポート」のポイント
①慢性腎臓病の治療をサポート
→猫の生活の質 (QOL)に配慮し、慢性腎臓病の療法食としてリンの含有量を低減しています。
また、猫の負担を考慮して高消化性のタンパク質を配合しています。
②エネルギー含有量を調整
→慢性腎臓病の猫の食欲は低下します。少ない食事量でも必要なエネルギーを摂取できるように
高カロリーに設計。
③独自の香り組成とフードの形
→食欲の低下した猫に配慮して、猫が好む香りと独自の粒の形で食欲を刺激します。
1日給与量の目安
現在の体重 (kg) | 2 | 2.5 | 3 | 3.5 | 4 | 4.5 | 5 | 5.5 | 6 | 6.5 | 7 | 7.5 | 8 |
痩せ気味 | 39g (0.5) | 46g (0.6) | 52g (0.6) | 58g (0.8) | 64g (0.8) | 69g (0.9) | 74g (0.9) | 80g (1.0) | 85g (1.1) | 90g (1.1) | 95g (1.3) | 99g (1.3) | 104g (1.3) |
標準 | 32g (0.4) | 38g (0.5) | 43g (0.5) | 48g (0.6) | 53g (0.6) | 58g (0.8) | 62g (0.8) | 67g (0.9) | 71g (0.9) | 75g (1.0) | 79g (1.0) | 83g (1.0) | 87g (1.1) |
太り気味 | 26g (0.4) | 30g (0.4) | 35g (0.5) | 39g (0.5) | 42g (0.5) | 46g (0.6) | 50g (0.6) | 53g (0.6) | 57g (0.8) | 60g (0.8) | 63g (0.8) | 66g (0.9) | 69g (0.9) |
表内のカッコ内はカップ数を表します。 *1カップ=200cc
猫の「腎臓サポート」の対象となる病気
猫の「腎臓サポート」の対象となる主な病気は以下の通りです。
・高窒素血症を伴う慢性腎臓病 (IRISステージ2後期からステージ4)
・腎機能障害におけるシュウ酸カルシウム結石再発の管理
・尿酸アンモニウム結石症とシスチン結石症の再発予防
IRISステージとは、国際獣医腎臓病研究グループ (IRIS)が提言する慢性腎臓病のステージ分類です。
上記の症状にお困りの方は「腎臓サポート」の使用を考えても良いでしょう。
*上記の病気でも健康状態により「腎臓サポート」による食事療法が適さない場合もあります。
必ず使用前にかかりつけ医にご相談ください。
「腎臓サポート」はどこで買うべき?
動物病院での購入が基本
現在、ロイヤルカナンを含む様々なペット用療法食がAmazonや楽天市場、各種薬局などで
購入可能です。
しかし、動物病院の窓口での購入は、獣医師と相談しながら購入を決められるメリットがあります。
そのため、初回の購入はかかりつけの動物病院での購入をオススメします。
忙しくて中々動物病院に行けない方や、2回目以降の購入の方、Amazonや楽天のポイントを利用したい場合などは
Amazonや楽天の通販サイトをご利用ください。
以下に、猫の「腎臓サポート」のAmazonと楽天のリンクを載せておきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
猫の「腎臓サポート」とは、慢性腎臓病の猫のために特別に調整された食事療法食です。
慢性腎臓病の猫の症状に合わせて、栄養成分やカロリー、匂い・味付けがされていることが
大きなポイントです。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
コメント