【獣医になるには?】獣医になるまでの流れを現役獣医師が解説

こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です。
この記事では、獣医師になるための流れ丁寧に解説しています。
獣医師を目指す方必見の内容となっているのでゆっくりとご覧ください。

・獣医師になりたいです。
・獣医師になるためにはどうすればいいですか?
・オススメの大学は?

以上のような、獣医師になるための質問にお答えします。

この記事はこんな方にオススメ

・獣医師になりたい方
・獣医師という職業に興味がある方
・獣医師になるために大学を探されている方

獣医師の平均年収や初任給などのお金事情については以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください!
獣医の年収は低い?開業したら?】獣医の気になる懐事情を獣医師が解説

✔︎この記事の内容
・獣医師への道のり
・獣医学を学べる大学
・獣医師国家試験に合格しよう
・<番外編>オススメの大学
目次

獣医師への道のり

まずは獣医系大学に合格しよう

獣医師になるには獣医師国家試験に合格して獣医師免許を取得する必要があります。

獣医師国家試験は誰でも受験できる訳ではありません。
国が認めた獣医系大学に6年間通って卒業することで受験資格を得ることができます

しかし獣医系大学は数が少なく、かつ定員も少ないため入試の難易度は医学部に次いで難しいといわれています。

獣医師になるための流れ

①高校を卒業する
   ↓
②全国にある17の獣医系大学に合格する
   ↓
③6年間獣医系大学に通って卒業し、獣医師国家試験の受験資格を得る
   ↓
④獣医師国家試験に合格する
   ↓
⑤農水省に申請をして獣医師免許を得る (このタイミングで初めて獣医師と認められる)

獣医学を学べる大学

獣医学部の一番の特徴は定員の少なさ (=倍率の高さ)です。
獣医学部は、大学の学部で最も募集定員が少ない学部の一つです。

医学部と比較してみます。
*あくまでも倍率と募集定員の話で、どちらが難しいかということはここでは述べません。

例:北海道大学 (国立)の医学部の定員:85名 (倍率3.4倍)、獣医学部の定員:35名 (倍率:5.7倍)

獣医学系大学の種類と学費

獣医学系大学には大きく分けて3種類あります。

①私立大学 (全6校)
 入学金30万円程度年間授業料90〜150万円程度、その他施設費などで年間約233〜265万円程度です。
 6年間で約1300万円〜1500万程度かかります。
 学費が高い分、入学難易度は国立よりも高くはありません。

②国立大学 (全10校)
 入学金282,000円年間授業料535,800円です。国立であれば一律同じ金額です。
 1年目は入学金の分高くなりますが、2年目以降は年間授業料の535,800円のみです。
 6年間で約350万円程度かかります。
 学費が安い分人気が高く、私立大学よりも偏差値と倍率が高くなります。

③公立大学 (大阪公立大学のみ)
 入学料282,000円年間授業料535,800円実験機器・実験充実費185,000円です。 
 2年目以降の学費は720,800円となります。
 6年間で約460万円程度かかります。
 私立大学よりもはるかに安いですが、国立大学では発生しない実験機器・実験充実費を支払う必要があります。

獣医学系大学 全17大学まとめ

大学名区分学部名定員所在地偏差値
北海道大学国立獣医学部 共同獣医学課程35名北海道札幌市65.0
帯広畜産大学国立畜産学部 共同獣医学課程40名北海道帯広市60.0
酪農学園大学私立獣医学群/獣医学類120名北海道江別市55.0
北里大学私立獣医学部/獣医学科120名青森県十和田市57.5
岩手大学国立農学部/共同獣医学科30名岩手県盛岡市60.0
東京大学(理科Ⅱ類)国立農学部/獣医学課程30名東京都文京区67.5
東京農工大学国立農学部/共同獣医学科35名東京都府中市62.5
日本獣医生命科学大学私立獣医学部/獣医学科80名東京都武蔵野市57.5
麻布大学私立獣医学部/獣医学科120名神奈川県相模原市60.0
日本大学私立生物資源科学部/獣医学科120名神奈川県藤沢市57.5
岐阜大学国立応用生物科学部/共同獣医学科30名岐阜県岐阜市62.5
大阪公立大学公立獣医学部40名大阪府泉佐野市60.0
鳥取大学国立農学部/共同獣医学科35名鳥取県鳥取市60.0
山口大学国立共同獣医学部/獣医学科30名山口県山口市62.5
岡山理科大学私立獣医学部/獣医学科140名愛媛県今治市55.0
宮崎大学国立農学部/獣医学科30名宮崎県宮崎市62.5
鹿児島大学国立共同獣医学部/獣医学科30名鹿児島県鹿児島市62.5

全大学の難易度は、東京大学がトップであり、次点で北海道大学となります。

獣医師国家試験について

獣医学系大学を無事に卒業し、年に1回の獣医師国家試験に合格すれば
晴れて獣医師となります。 

獣医師国家試験とはどのような試験なのでしょうか?

獣医師国家試験の出題内容

①必須問題 (50問)
 「獣医療の基本的事項」及び、「獣医学の基本的事項」、「衛生学に関する事項」、
 「獣医学の臨床的事項」のうち重要な事項

②学説試験A(80問)
 「獣医療の基本的事項」及び「獣医学の基本的事項」

③学説試験B(80問)
 「衛生学に関する事項」及び「獣医学の臨床的事項」

④実地試験C (60問)
 原則として「衛生学に関する事項」、「獣医学の臨床的事項」について、
 獣医療現場で実際に起こり得る症例・事例に関する基本的かつ重要な事項

⑤実地試験D (60問)
 原則として「衛生学に関する事項」、「獣医学の臨床的事項」について、
 獣医療現場で実際に起こり得る症例・事例に対する対処方法等の総合的な事項

試験は毎年2月中旬ごろに、2日間に渡って行われます。

*出典:農林水産省 獣医師国家試験出題基準

獣医師国家試験の合格基準

下記の2つを全て満たした者が合格となります。

  • 必須問題:必要な補正を行って算出した点数の70%以上の得点
  • 他の問題(学説・実地):必要な補正を行って算出した点数の60%以上の得点

獣医師国家試験の合格率

例年、合格率は新卒で約85〜90%既卒生 (1度不合格となり2回目以降の受験)で約40%です。

全体の合格率は80%弱ですが、近年合格率が低下していることから
問題内容は毎年難化していると考えられます。

実際に、2023年の全体の合格率は69.9%と過去5年で最も低い数字となりました。

<番外編>オススメの獣医学系大学

獣医学系大学 全17大学まとめで紹介した大学で、私が特にオススメする大学は
国立では北海道大学、私立では麻布大学です。

北海道大学は私の母校でもありますが、
北海道という雄大な自然に囲まれながらも、札幌駅直通のキャンパスであるため
アクセスが最高です。
また、北海道は物価も比較的安く、家賃の相場も低いため学生には優しいといえます。
何よりご飯が美味しいです (笑)

教育面では、臨床と研究の双方に重きを置いており、
最先端の施設を揃えた大学病院や研究室で研究を行うことができます

麻布大学は「臨床の麻布」といわれるほど、臨床獣医学教育に力を入れており、
将来臨床の現場で働きたい学生には魅力的な大学です。

まとめ

獣医師になるには、まず獣医学系大学に合格する必要があります。
獣医学系大学を卒業して初めて、獣医師国家試験の受験資格を得ることができます。

獣医師になる道のりは長く険しいものですが、
獣医師はとてもやりがいのある仕事です!

獣医師を目指される方、是非最後まで諦めず勉強を頑張ってください!

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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