【獣医で年収3000万は余裕?】獣医の年収の全てを解説

年収3000万のお金持ちの獣医師
獣医師の年収3000万

こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です!

獣医師をしていると、よく皆様から

獣医はお金持ちなんでしょう?
年収1000万は余裕なの?」
開業したら儲かるの?」

という質問を頂きます。

実は獣医のお財布事情は非常に厳しいんです・・・(笑)

そこで、この記事では以下のような獣医の年収に関する質問に、
現役獣医である私が丁寧にお答えしていきます!

・獣医で年収3000万は余裕なの?
・獣医の平均年収と最高年収は?
・獣医の給料が低いって聞いたけど本当・・・?
・獣医が開業した時の年収は?
・海外の獣医師の平均年収は?

目次

獣医で年収3000万は可能か

獣医で年収3000万は可能か

年収3000万はかなり厳しいライン

結論から言うと、獣医の仕事だけで年収3000万を稼ぐことはかなり難しいです。

年収3000万は開業した獣医の上位数%のみが到達できるラインで、
勤務医ではまず不可能です。

獣医が年収3000万を稼ぐためには
何か副業をしたり本を出版するなどして
別の稼ぐ方法を探さないといけません。

勤務医は700〜800万円程度が現実的なライン

勤務医が到達できる現実的なラインとしては年収700〜800万円が妥当です。

一例として、東京都で年間7万件以上の診療実績を誇るグループ病院である
小滝橋動物病院」の求人に関する資料を見てみます。

・1〜3年目:392万円〜
・4年目〜 :434万〜560万円
・6年目〜 :560万円〜980万円
・役員 :980万円〜

小滝橋動物病院グループ採用案内

実力が認められ順調に出世していけば、
6年目以降には年収980万円近くまで到達しています。

一方で、東京大学が「獣医学履修者の進路:現状分析と課題」として発表している資料では、

収入(公務員並み、あるいはそれ以下)、初任給で年収250~400万円、
30歳代前半でも年収500万円に届く獣医師はまれ、家庭を持つ余裕はない

東京大学「獣医学履修者の進路:現状分析と課題

と獣医師の待遇の悪さが強調されています。

近年は獣医師の給与水準が上がっており、勤務医でも700〜800万円程度に
比較的簡単に到達することが可能となっています。

所属する動物病院によって給料水準が
大きく異なることが分かります!

獣医の平均年収と最高年収

獣医の平均年収と最高年収

獣医の平均年収は687万円

厚生労働省の「令和4年度賃金構造基本統計調査」によると、
獣医師の平均年収は37.8歳で約687万円となっています。

平均年収687万円
月給49万円
ボーナスの総額93万円
平均年齢37.8歳
出典:令和4年度賃金構造基本統計調査

もう一つのデータとしては
国税庁が発表した「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、
日本全国の職業の平均年収は2021年(令和3年)で約443万円です。

獣医の平均年収:687万円はその他の職業と比較するとやや高めの水準であることが分かります。

一方で、獣医は専門職であり医学部と同じ6年制の大学に通う必要があります。
さらに、卒業に加えて難易度の高い国家試験に合格しなければなりません。

医師の平均年収が約1200万円と獣医師のほぼ2倍近い数字であることを考慮すると
獣医の年収は能力に見合った額ではないと言えるでしょう。

獣医の最高年収は1億円越え!?

極々まれではありますが、獣医師の仕事だけで年収1億円を稼ぐ人もいます。

私の知り合いで6病院を経営している獣医師の方がいらっしゃいますが、
その方の年収は1億円を超えています。

開業して成功すればたくさんのお金を稼ぐことができます。

獣医の給料が低い理由

獣医の給料が低い理由

同じ医療職で比較しても、獣医の平均年収は医師の半分程度です。

獣医の給料はなぜここまで安いのでしょうか?

動物病院が増えすぎている

一つ目の理由としては、動物病院の数が増えすぎているからです。

同様の例としては、歯医者が挙げられます。

歯医者の数はコンビニも数よりも多くなってしまい、多くの歯医者が淘汰されてしまいました。

首都圏や関西では動物病院の数が非常に多いため、
価格競争が発生して、獣医師の給料が上がらない状況になっています。

儲かりにくい収益構造

二つ目の理由は、動物病院全体の儲かりにくい収益構造が原因となっています。

動物には人のような国民皆保険制度が存在しないため、
原則として治療費の全額を飼い主様が払わないといけません。

そのため、動物病院側も治療費を上げづらい状況です。

さらに、動物病院は設備医療機器薬の準備などに大きな資金が必要となります。

そのため、動物病院は獣医師の給料を低く設定して、
人件費を削減しようとします。

さらに近年はペットの数が減少しています・・・

・動物には統一された保険制度がない
・設備や医療機器、薬の準備でたくさんのお金が必要
・ペットの数が減少している

開業獣医の平均年収

開業獣医師の平均年収

開業後に年収1000万に到達する獣医は多い

獣医として、大きく稼ぐ唯一の方法は開業することです。

実際に私の知り合いでも、開業して5年で
年収が5000万円に近い人がいます。

最近は動物業界でも診療の高度化や細分化が進み、
眼科専門クリニックや皮膚専門クリニックなどを開業して大きく稼ぐ獣医も増えています。

一般に開業した場合の年間の売り上げは3000万円程度で、
人件費や光熱費を差し引くと開業時の平均年収は約1000万円程度です。

開業には大きなリスクも

獣医になって開業したら全員が大儲けできるかというとそんなに現実は甘くありません。

獣医も年々開業する人が増えているため、
生き残ることが厳しい業界になりつつあります。

経営の資金繰りやスタッフの人件費、常に倒産のリスクがあることなどを考慮すると
開業には大きなリスクがあるといえるでしょう。

続いて、動物園やJRAで働く獣医師の平均年収を
ご紹介します!

動物園やJRAで働く獣医師の平均年収

動物園やJRAで働く獣医師の平均年収

動物園で働く獣医

動物園で働く獣医の平均年収は400万円~500万円程度です。 

動物園で働く獣医は、様々な珍しい動物の健康をサポートする大人気の職種です。

しかし、動物病院で働く獣医の平均年収と比較すると年収は決して高くはありません。

小さい頃から動物園の獣医に憧れる方も多いですが、
現実は厳しく、本当に動物が好きでないと続けられません・・・

動物園の売り上げの半分以上は、
入園料とグッズ代によるものです。

JRAで働く獣医

JRAで働く獣医の平均年収800万円~1100万円程度です。 

JRAで働く獣医の仕事内容は、競走馬の治療や栄養・繁殖管理などを行います。

競馬業界では動くお金の額が大きいため、獣医の年収も非常に高めに設定されています。

馬はとても賢く繊細な動物であるため、馬を治療することは非常に難しいです。
全ての動物の中で、馬の治療が最も難しいと言われることも!

では最後に海外の獣医師の平均年収を見ていきましょう!

海外の獣医の平均年収

海外の獣医師の平均年収

アメリカ

世界で最も獣医療が進んでいるアメリカ。

多くの獣医師がアメリカの専門医に憧れを抱いています。

アメリカの獣医の平均年収は950万円程度です。

日本と比較すると1.5倍の差があります!

アメリカは日本よりも酪農業や畜産業が盛んで、
家畜の健康を守る獣医師のニーズは非常に高いため高待遇となっています!

オーストラリア

世界一の酪農大国であるオーストラリア。

オーストラリアの獣医は国を支える酪農・畜産業に欠かせない職業であるため
非常に高待遇となっています。

オーストラリアの獣医の平均年収は1,200万円程度です。

オーストラリアの職業全体の平均年収が850万円程度であることを考慮すると、
獣医師は年収の高い職業の一つです。

ヨーロッパ諸国

フランスの獣医の平均年収は1500万円程度、
イタリアの獣医の平均年収は800〜900万円程度です。

ヨーロッパは国によって物価か給与水準が大きく異なりますが、
平均すると獣医の平均年収は800〜900万円程度で日本よりも高いです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本記事の重要ポイントをまとめました。

・獣医が年収3000万を稼ぐのはかなり難しい
・700〜800万円程度が現実的なライン
・開業後に年収1000万に到達する獣医は多い
海外の獣医の平均年収は日本よりはるかに高い

以下の記事では、獣医師のなり方や仕事内容、年収、獣医師国家試験の合格率などを紹介しているので、
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この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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