こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です。
この記事では、スコティッシュ・フォールドに多い病気を解説しています。
病気の症状・治療についても分かりやすく解説していますのでゆっくりとご覧ください。
スコティッシュ・フォールドに多い病気は?
症状・治療法を教えてください。
以上のような、スコティッシュ・フォールドについての質問にお答えします。
・関節症
・尿路結石
・慢性腎不全
猫の腎不全については以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください!
≫ 【おすすめ厳選フードも紹介!】猫の腎不全のすべてを獣医師が徹底解説【完全版】
関節症
スコティッシュ・フォールドは、イギリスを起源に持つ猫種です。
1960年代にイギリスの農家で、折れ耳を持つ猫が突然変異により誕生しました。
この折れ耳という特徴が大変珍しく、計画的に繁殖が行われました。
計画繁殖の結果、折れ耳・短めの首・丸い顔・丸みを帯びた小柄な身体を特徴とした
スコティッシュ・フォールドが誕生しました。
つまり、スコティッシュは関節の異常を特徴とする猫なのです。
スコティッシュにとって関節症は宿命
折れ耳同士の交配によって生まれた個体に起こるもので、生後4〜6か月目から症状が現れます。
激しい関節の痛みと身体の変形により、手足に少しでも体重をかけないように座ることがあります。
これがいわゆる “スコ座り” です。
この座り方の猫は全身の関節が痛いと考えられます。
遺伝子異常が原因のため、関節症を根本的に治療することはできません。
症状に応じて、痛み止めの内服や放射線治療を行うこともあります。
尿路結石
スコティッシュ・フォールドは、他の猫と比べて尿路結石になるリスクが高いです。
*結石の種類はシュウ酸カルシウムが特に多いです。
尿路結石とは腎臓から尿道までの通り道のに結石が生じる疾患です。
尿路結石の主な原因は飲水量の減少です。
猫の祖先は元々は砂漠に生息していたため、猫はあまり水を飲みません。
そのため、猫は濃いおしっこをする性質があります。
濃いおしっこは石の成分を多く含むため、尿路結石が多くは発生します。
さらに、正常なおしっこのpHは中性ですが、
pHがアルカリ性や酸性に傾くと尿路結石が発生する原因になります。
尿路結石の症状と治療法
尿路結石の主な症状は、以下の通りです。
・おしっこの回数が増えた
・おしっこの時に鳴く
・元気・食欲がない
猫の尿路結石の治療方法は、結石の種類や大きさなどによって異なります。
食事療法や止血剤の投与といった内科的治療や、手術によって結石を取り除く外科的治療、
超音波で尿路結石を砕く治療などが行われます。
スコティッシュに多いシュウ酸カルシウム結石は、療法食で溶かすことができません。
そのため、手術で尿路結石を摘出する必要があります。
慢性腎不全
スコティッシュ・フォールドに限らず、すべての猫で発症のリスクが高い慢性腎不全。
猫に慢性腎不全が多い理由は未だにはっきりとは解明されていません。
近年、猫の体の中で腎臓内の老廃物を除去する「掃除機」の役割を持つ
AIMというタンパク質の働きが弱いことが判明しました。
このAIMが猫の腎不全の治療のカギとなるかもしれません!
猫の腎不全については以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください!
≫ 【おすすめ厳選フードも紹介!】猫の腎不全のすべてを獣医師が徹底解説【完全版】
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