こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です!
最近のニュースで「OSO18」というワードをよく聞きますよね。
OSO18とは北海道で甚大な被害をもたらしたヒグマのことですが、
OSO18について詳しく知らない人がほとんどだと思います。
・OSO18ってヒグマの名前?
・他のヒグマと何が違うの?
・どれぐらいの被害が出ていたの?
・ヒグマの生態は?
このような疑問を持つ方は非常に多いかと思います。
そこでこの記事では、「OSO18」について、
北海道出身の現役獣医師である私が丁寧に解説していきます!
OSO18とは
別名 | 忍者グマ |
性別 | オス |
年齢 | 推定10〜15歳 |
死没 | 2023年7月30日 |
体重 | 330kg 日本最大の獣害事件:三毛別羆事件のヒグマと同サイズと推定 |
体長 | 2.2m |
名前の由来 | 初めての被害が発生した地名オソツベツと、前足の幅18cmから |
被害 | 牛66頭(32頭死亡) 農作物被害多数 |
地域の住民や農家さん、ハンターの間で「OSO18」と呼ばれるようになりました。
驚異的な知能を持ったヒグマ
2019年の6月から7月にかけて標茶町下オソツベツ付近の農場で、
ヒグマに襲われたと見られる牛が相次いで目撃されるようになりました。
まるで自動カメラの場所を把握しているかのように、自動カメラを避けて行動しており、
牛の襲撃も人目の少ない夜間だけに行うという点から
非常に知能が高く、用心深いヒグマであると噂されるようになったそうです。
ハンターは鳥獣保護法により夜間の発砲を禁じられているため、
夜に待ち伏せしてもOSO18を駆除することはできませんでした。
まるで鳥獣保護法を理解しているかのように
ハンターを悩ませました。
三毛別ヒグマ事件の巨大グマとほぼ同じ大きさ
三毛別ヒグマ事件とは、1915年に北海道で発生した日本史上最悪の熊害で、
1頭の巨大グマにより計7人が死亡、3人が怪我を負った事件です。
上の写真のヒグマは実際の大きさを再現したもので、
体長3m、体重340kgという信じられないサイズです。
OSO18も三毛別ヒグマ事件のヒグマとほぼ同じ大きさであり、
いかに危険であったかが分かります。
OSO18は駆除された
2023年7月についに駆除された
2019年から始まったOSO18の被害により、牛66頭が襲われ32頭が殺されました。
北海道は県を挙げて何人ものハンターを投入して、
OSO18の駆除を試みましたが全て失敗に終わっていました。
2023年7月30日に釧路の牧場で、ハンターにより偶然駆除されました。
駆除したハンターは撃ったヒグマがOSO18とは知らなかったようです。
その後、OSO18の一部の肉は北海道のジビエ専門店で
提供されていました。
OSO18の名前の由来
「OSO18」は地域名と前足の幅から命名された
2019年7月にOSO18の被害が初めて目撃された、
標茶町下オソツベツ の地域名と、前足の幅が18cmであることにより命名されました。
標茶町は「しべちゃ」と読みます。
OSO18の懸賞金は?
OSO18に懸賞金は掛かっていない
OSO18はヒグマであり、動物であるため懸賞金は掛かっていませんでした。
一部の地域では、害獣を駆除すると懸賞金ではなく報奨金をもらえる場合があります。
自治体のよっても報奨金の額は大きく異なりますが、
おおよその相場は以下の通りです。
害獣駆除は誰でもできるわけではなく、
狩猟免許が必要なため注意してください。
OSO18とリオン君とは
リオン君とはOSO18を撃退した乳牛
2022年に最強ヒグマであるOSO18は、乳牛のリオン君に撃退されています。
リオン君が暮らす牧場の経営者によると、リオン君は「もともと気の強い牛」だったそう。
リオン君はOSO18に襲われた際、頭のツノで抵抗してOSO18に怪我を負わせました。
通常、牛がヒグマに襲われると抵抗する術もなく殺されてしまうため、
リオン君のようにヒグマを撃退できた例は非常に珍しいです。
ヒグマの生態
最後に、ヒグマの生態について学んでいきましょう♪
よく登山や釣りをする方は、クマ対策は必須です。
ヒグマは執着心が強い
ヒグマは一度手に入れたものに対して、極めて強い執着心を持ちます。
実際に、ヒグマに取られた食材を奪い返したところ
執拗にヒグマに追いかけられたというケースがあります。
ヒグマに一度取られたものは何があっても
取り返してはいけません。
ヒグマは火を恐れない
多くの野生動物は火を恐れるというイメージがありますが、ヒグマには逆効果です。
三毛別ヒグマ事件では、村人は焚き火でヒグマを追い払おうとしましたが
ヒグマは構わずに襲撃してきたと記録されています。
むしろ、火に対する好奇心で近寄ってくるという報告もあり、
「ヒグマは火を恐れない」というのが定説になっています。
ヒグマは反射的に逃げるものを追う
ヒグマの習性として最も有名なのが「反射的に逃げるものを追う」というものです。
野生本能から背を向けて走るものを追いかけてしまうため、
ヒグマと遭遇しても絶対に背を向けて走らないようにしてください。
死んだフリは逆効果
「ヒグマに遭遇したら死んだフリをしろ!」と教わったことはありませんか?
実はその行動はとても危険です!
三毛別ヒグマ事件でも、死んだフリをした村人や子供を真っ先に襲撃していたようです。
ヒグマの前で突然背を向けて走ることも危険ですが、
死んだフリをすることも危険であることは覚えておきましょう。
野生のクマに遭遇した時の対処法
以下に野生のヒグマに遭遇した場合の対処法をご紹介します。
ヒグマがこちらに気づいていない場合
物音を立てずに、ゆっくりと後ろずさりをしてヒグマから距離を取りましょう。
絶対に走って逃げてはいけません。
ヒグマがこちらに気づいている場合
物音を立てずに、ゆっくりと後ろずさりをしてヒグマから距離を取りましょう。
この時、ヒグマと目線を逸らしてはいけません。
「目線を逸らす=自分が弱い」と認める行為なのでヒグマが攻撃してくる確率が高まります。
ヒグマがこちらに接近してきている場合
大声で叫びながら両手を広げて、身体を大きく見せましょう。
何かを叩いて大きな音を出すことも大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事の重要ポイントをまとめました。
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この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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