【犬が薬を飲まない!】薬の飲ませ方のコツを獣医師が解説

犬が薬を飲まない時の飲ませ方とコツ
犬が薬を飲まない時の飲ませ方のコツ

こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です!

皆様は犬に薬を飲ませる時に苦労した経験はありませんか?

・犬が薬を全然飲んでくれない・・・

・犬に無理やり薬を飲ませようとしたら噛まれた・・・


・薬を飲んだと思ってもすぐ吐いてしまう・・・

・どうしたら犬にストレスなく薬を飲ませられるの?

このような悩みを抱えている飼い主様は非常に多いです。

愛犬になるべくストレスかけずに薬を飲ませてあげたいですよね!

そこでこの記事では、「犬に薬を飲ませる時のコツ」について、
現役獣医師である私が丁寧に解説していきます!

猫が薬を飲んでくれない場合の対処法は以下の記事で解説しています。
猫を飼われている方は合わせてこちらの記事もどうぞ!

目次

犬に薬を飲ませる方法とコツ

犬に薬を飲ませる方法とコツ

早速ですが、犬に薬を飲ませる時のコツを
薬の形状別にご紹介します!

錠剤の場合

錠剤の飲ませ方

STEP
利き手と反対の手で、犬の上顎を掴む
STEP
そのまま犬の鼻先を上に向かせて固定する。
STEP
利き手の親指と人差指で薬を持つ。
STEP
利き手でフリーの中指を使って、犬の下の前歯に指をかけて口を開ける。
STEP
舌の付け根あたりに優しく薬を落とし、口を閉じる。
STEP
犬が飲み込むまで上を向かせ続ける。

他にも以下の方法で飲ませることができます。

・直接口の中に入れる
・ドッグフードに混ぜる
・投薬チュールやオブラートに包む

・ピルクラッシャーで錠剤を砕く

薬を投げ込むように飲ませると気管に入ったりして危険です。
必ず優しく薬を口に入れてくださいね!

錠剤を飲ませるコツ

・ドッグフードに薬を混ぜる場合は通常より時間を遅らせて与える
愛犬が空腹を感じる頃に与えることで、食いつきが良くなります!


・舌の付け根辺りに薬を優しく置く
→舌の付け根が最も吐き出しにくく、飲み込みやすい位置です!

粉薬の場合

粉薬の飲ませ方

STEP
人肌程度のぬるめのお湯に薬を溶かして、シリンジやスポイトで吸う
STEP
利き手と反対の手で、犬の顔の上から目の横あたりを持つ。
STEP
そのまま犬の鼻先を上に向かせて固定する。
STEP
シリンジ・スポイトの先を口の端に優しく差し込み、
少しずつ液体を口の中に入れる
STEP
液体を全て飲み込むまで頭を少しあげた状態で口を閉じさせる

他にも以下の方法で飲ませることができます。

・ウェットタイプのドッグフードに混ぜる
・投薬チュールやオブラートに包む
・少量の水で溶かして、上あごや歯茎に塗りつける

粉薬を飲ませるコツ

・ペット用のシロップに混ぜる
・投薬用のおやつに混ぜる

苦い粉薬が苦手な犬や、口を触らせてくれない犬でも、

シロップや投薬用おやつに混ぜたらすんなり受け入れてくれる場合が多いです。

液体の場合

液体の飲ませ方

基本的な方法は「粉薬の飲ませ方」と同じです。

液体の薬は味が強烈であることが多く、犬は吐き出そうとします。

液体を全て飲み込むまで頭を少しあげた状態で口を閉じさせることを意識しましょう。

液体を飲ませるコツ

ペット用のシロップを混ぜることが最も有効です。

老犬に薬を飲ませる方法

老犬に薬を飲ませる前に、薬によってはどのタイプの薬がいいか聞いてもらえることがあるので、

「粉薬は特に苦手」「シロップ入りの液体なら飲んでくれる」など、犬の好みを伝えましょう。

老犬に薬を飲ませる方法は、一般の犬に薬を飲ませる方法と大きく変わりませんが、
以下のポイントを意識しましょう。

・ゆっくりと飲ませる (老犬は飲み込む力が弱いので誤嚥に注意)
・飲んだ後は特にしっかりと褒めてあげる

暴れる犬に薬を飲ませる方法

力づくで飲ませようとしても余計に暴れてしまうので、
犬を刺激しないように優しく声をかけてあげながら飲ませてあげましょう。

錠剤をすり鉢でつぶして粉状にしてキャットフードやチュールなどに混ぜて一緒にあげてみる
方法も有効です。

食欲のない犬に薬を飲ませる方法

食欲のない犬はフードやおやつに薬を混ぜても食べてくれないので、

錠剤粉薬の飲ませ方と同じように、犬を抑えて飲ませることが必要です。

フィラリア薬を犬に飲ませる方法

フィラリア薬は塗り薬タイプと、錠剤のタイプがあります。

錠剤タイプであれば、以下の方法で簡単に飲ませることができます♪

STEP
利き手と反対の手で、犬の上顎を掴む
STEP
そのまま犬の鼻先を上に向かせて固定する。
STEP
利き手の親指と人差指で薬を持つ。
STEP
利き手でフリーの中指を使って、犬の下の前歯に指をかけて口を開ける。
STEP
舌の付け根あたりに優しく薬を落とし、口を閉じる。
STEP
犬が飲み込むまで上を向かせ続ける。

・ウェットフードを団子状にして中に薬を埋め込む
・塗り薬タイプに変更してもらう

犬が錠剤を嫌がる場合は以上の方法があります。

それでも犬が薬を飲んでくれない時

それでも犬が薬を飲んでくれない時

「犬に薬を飲ませる時のコツ」を実践しても
薬を飲んでくれない時の対処法をご紹介します!

注射タイプに変更してもらう

少し荒技になってしまいますが、薬を注射のタイプに変更してもらう手もあります。

*薬によっては飲み薬タイプしかない場合もあります。

注射タイプであれば、通院回数が増えてしまうというデメリットがありますが
最も確実な方法でもあります。

気になる方は一度獣医師と相談してみてください!

ペット用の投薬器を使う

ペット用の投薬器とは、錠剤やカプセルを口の奥に入れて飲み込ませるためのものです。

使い方もシンプルで、飼い主様でも簡単に使うことができます。

ペット用の投薬器を使うと、意外とすんなりと薬を飲んでくれたという
声もよく聞きます。

お値段も600〜700円とそこまで高くないため試してみる価値はあります!

私も自宅では以下の投薬器を愛用しています。

犬が薬を飲まない時の注意点

犬が薬を飲まない時の注意点

次に、犬が薬を飲まない時の注意点を見ていきましょう♪

無理やり飲ませない

犬が嫌がっているにも関わらず、何度も無理やり飲ませようとすると
犬が「薬=嫌なもの」と学習してしまいます。

犬が一度薬を嫌いなものと認識してしまうと、それ以降薬を飲ませることはかなり困難になってしまうので
嫌がるようなら無理やり飲ませないようにしてください。

犬の幼少期の記憶は死ぬまで残ると言われています。

薬を飲めたらしっかり褒めてあげる

犬が薬をうまく飲めたら思いっきり褒めてあげてください。

これはとても大切なことです。

犬は自分が褒められていることや飼い主様が喜んでいることを理解しています。

褒めてもらえることが嬉しくて、徐々に薬を飲んでくれるようになります。

薬を飲んだ後に大好きなおもちゃで一緒に遊んであげても喜びます。

犬が薬を飲まないから怒鳴ったりすることは絶対NGです!

食べ物と一緒に与える場合

猫の薬を食べ物と一緒に与える時

やむを得ずに、薬を食べ物と混ぜる時の注意点や方法をご紹介します!

薬は原則として薬単独で飲ませるべきであり、食べ物と一緒に飲まれることを想定されていません。
本来の薬の効果を得るためには、薬だけで飲ませるべきです。

まずは獣医師に相談する

やむを得ずに、薬を食べ物と混ぜる場合は必ず獣医師に相談してください。

飼い主様の自己判断で食べ物と混ぜて飲ませると、正しい薬の効果が得られないことがあります。

他サイトで、「バター、マヨネーズ、チーズ、鶏肉などと混ぜて与える」という説明がありますが、
犬には塩分量が多すぎる上に、食物アレルギーなどの健康被害が発生するため
絶対にこれらの食材と薬を混ぜて与えることはやめましょう。

獣医師から許可が出た食べ物を、必要最低限の量で薬と混ぜて飲ませてください。

ドッグフードに混ぜる場合

私はよく、いつものドッグフードと混ぜて与えることはOKと飼い主様にお伝えしています。

多くの犬がドッグフードと一緒であれば薬を飲んでくれますが、

犬が食べ物を選り好みする場合は薬を見破られて避けたり、薬だけを吐く可能性があります。

ドッグフードと混ぜる場合は、犬がしっかり薬を飲んだか確認して
薬だけが吐かれていないか注意してください。

チュールなどのおやつと一緒に与える場合

犬の投薬を補助するために作られた専用のおやつも非常に有効です。

通常のおやつは薬と一緒に与えられることを想定して作られていないため
薬の吸収を邪魔してしまう可能性があります。
必ず通常のおやつではなく、投薬用のおやつを使用してください。

以下の投薬補助用のおやつは動物病院でも使用されているほど
使いやすく安全なおやつです。

犬が薬を嫌がる理由

犬が薬を嫌がる理由

続いて、犬が薬を嫌がる理由を考えていきましょう。

味や匂いが苦手

犬の嗅覚や味覚は非常に鋭いため、薬の匂いや味が強い場合、犬は嫌がります。

特に苦味や不快な匂いがする薬は、犬にとって受け入れ難いものとなるでしょう。

最近の薬は犬に配慮して、犬が飲みやすい味・匂いに設計されていることが多いです。

恐怖心や警戒心

犬は新しいものや状況に対して恐怖心や警戒心を持つことがあります。

薬は普段と異なる匂いや形状を持つため、犬は薬を飲むことに対して警戒心を抱いてしまいます。

一度でも犬に薬を与える際に、無理やり口に押し込むと不快感や恐怖心の原因になってしまいます。

特に小型犬は恐怖心や警戒心を強く感じる傾向にあります。

過去のトラウマ

以前に薬に関連した嫌な思いをした経験がある場合、犬はその記憶から薬を嫌がります。

犬は非常に賢い動物であり、3歳児程度の記憶力を持ちます。

過去に薬に関連した不快な経験をした場合、当然犬はそれを覚えてしまいます。

大切なことは、子犬の頃に無理に薬を飲ませずに「薬=嫌なもの」と学習させないことです!

犬が薬を嫌がる時の行動

最後に、犬が薬を嫌がる時の行動を
一緒に見ていきましょう♪

口をこじ開けない

薬を与えようとすると、犬は口を固く閉じることがあります。

犬は口を開けると不味い薬を食べさせられると学習しているので

口を開けないようにして薬を飲むことを拒止します。

この状態になってしまうと、無理に口を開けても
薬嫌いがエスカレートするだけです。
無理に飲ませるのはやめましょう。

薬を吐き出す

薬を飲んだ後に、犬が薬を吐き出すことがあります。

これは体が薬を毒や異物として認識し排除しようとする反応であったり、

薬自体の副作用で気持ち悪くなっている可能性もあります。

初めての薬を飲んでから、急に吐いたり下痢などをした場合は
すぐに動物病院を受診してください。 (薬が体に合っていない可能性が高い)

唸る・威嚇する・攻撃する

犬に薬を無理やり飲ませようとすると、唸ったり威嚇行動をとることがあります。

これは犬が自己防衛のために行う反応です。

飼い主様自身が犬に攻撃されてケガをすることがあります。
犬が唸ったり威嚇を始めたら、薬を無理に飲ませることはやめましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本記事の重要ポイントをまとめました。

・ドッグフードに薬を混ぜる場合は通常より時間を遅らせて与える
・液体の薬ペット用のシロップを混ぜると飲んでくれる犬が多い
・どうしても薬を飲ませられない場合は注射タイプに変更してもらうことも考慮する
・食べ物に混ぜる場合は獣医師に相談してから
・無理に薬を飲ませることは絶対にしない

以下の記事では、獣医師愛用のプレミアムドッグフードおもちゃサプリメントを紹介しているので、
こちらの記事も合わせて読んでみてください!

犬と猫の超人気おやつ:チュールチュールごはんについても丁寧に解説しています。
興味のある方は以下のリンクからどうぞ!

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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