【猫の顎ニキビの治し方】ポイントはワセリン!【獣医師解説】

どアップの猫の顔
どアップの猫の顔

こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です!

猫と遊んでいたら、猫の顎や口周りに小さく黒い
ブツブツを見つけたことはありませんか?

「何かの病気?」「ノミがくっついた?」と多くの飼い主様が心配されて病院にいらっしゃいます。

実はこれ、「猫の顎ニキビ」というお肌の病気なんです!
*医学的には痤瘡 (ざそう:皮脂が詰まって細菌が増えた状態のこと)と言います。

そこで本記事では、猫の顎ニキビの治し方原因初期症状自宅で簡単にできる予防法
ワセリンを使った顎の拭き方などを詳しく解説します!

この記事では以下のような疑問を解決します。

・猫の顎ニキビの治し方は?
・猫の顎ニキビの原因は?
・猫の顎ニキビの初期症状は?
・自宅でできる予防法は?
・ワセリンは有効ですか?

目次

猫の顎ニキビの治し方

猫の顎ニキビは放置すると、皮膚が赤く腫れたり強いかゆみの原因になります。

黒いブツブツに気付いた段階でケアを行えば、動物病院に行かなくてもご自宅で簡単に治すことができます。

治療のポイントは患部を清潔に保つこと

顎ニキビの治療において、最も重要なことは「患部を清潔に保つこと」です。

黒いブツブツが少量ある程度であれば、ワセリンでまめに拭いて汚れを取るだけで簡単に治ります。

この時、黒いブツブツが取れないからといって無理に引っ張ったりゴシゴシと皮膚を擦るのは、皮膚を傷つけるためNGです。

皮膚が赤く腫れている場合は動物病院へ

黒いブツブツが少量ある程度であれば、自宅でのケアで問題ありませんが
皮膚が赤く腫れて、かゆみや痛みを伴う場合は動物病院で治療を受けましょう。

細菌感染がひどい場合は、抗生剤や抗炎症剤入りのクリームや飲み薬で
治療を行います。

人用のニキビ薬は絶対に使わない

「顎ニキビ」という名前から、人のニキビ薬を猫に使う方がいますが
猫の顎ニキビは人のニキビと異なる病気なので絶対にやめましょう。

猫の顎ニキビの5つの原因

猫の顎ニキビの主な原因は、顎や口周りの皮脂腺に皮脂がたまり炎症を起こすことです。
ほかには、ストレス、お口周りの汚れ、アレルギー、ホルモンバランスの乱れ、ニキビダニなどが原因になるといわれています。

ストレス

猫は環境の変化に非常に敏感で繊細な動物です。

引っ越しや周囲の騒音、新しいペット、家族構成の変化などでストレスを感じると
免疫力が落ちてしまい、細菌が繁殖して顎ニキビができる場合があります。

急に顎ニキビが増えた場合は、猫のストレス要因となるものが
ないかどうかチェックしましょう。

ウェットフードを中心に与えている

ウェットフードは猫の食いつきが良いため、主食としている方も多いです。

しかし、ウェットフードは顎や口周りを汚しやすい上にウェットフードの汚れは
中々落ちないため、顎ニキビの原因となります。

猫がドライフードも食べてくれるのであれば
ドライフードに切り替えても良いでしょう。

アレルギー

日頃使用している食器が、プラスチック製金属製の場合は
食器の素材が原因のアレルギーを引き起こすことがあります。

対策としてガラス製や陶器の食器に変更すると、顎ニキビが改善することがあります。

同じアレルギーでも食物アレルギーの場合はフードの変更が必須となります。
食器を変更しても改善しない場合は、食物アレルギーの可能性があるので
かかりつけの獣医師に相談しましょう!

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスも皮膚のバリア機能維持にとても重要です。

避妊去勢手術や妊娠・出産の後から顎ニキビが増えた場合は、
ホルモンバランスが原因の可能性が高いです。

ホルモンバランスは全身の健康に影響するため、獣医師にご相談ください。

特に避妊去勢手術の直後はホルモンバランスが崩れやすいため
要注意です!

ニキビダニ症 (毛包虫症)に感染している

ニキビダニは皮膚に生息するダニで、ほぼ全ての犬や猫に常在している寄生虫です。
*人の多くもニキビダニに寄生されています!

しかし、ニキビダニは健康な状態ではほとんど増殖しないため、症状はありません。

強いストレスがかかったりして免疫力が低下すると、皮膚の中で一気に増殖し
かゆみや脱毛などの症状を引き起こします。

ニキビダニが増殖すると皮膚のバリア機能が低下し、顎ニキビの原因となります。

ニキビダニは気持ち悪いですがそこまで問題となる病気ではありません。
気になる方は動物病院で検査することができますよ♪

猫の顎ニキビの初期症状

猫の顎ニキビができやすい場所
SBIイキイキ少短のペット保険より画像引用

猫の顎ニキビの初期症状は非常に分かりづらく、
黒いブツブツができるまでは中々気づくことはできません。

しかし、黒いブツブツができている段階は、顎ニキビの初期段階ですので
このタイミングでしっかりとケアを行えば悪化することはありません。

猫の顎や口周りが臭くなる

猫の顎ニキビの最初期の症状として、顎や口周りが臭くなるという症状があります。

食べカスや皮脂が蓄積して皮脂腺が詰まってしまうと細菌が繁殖し、臭い匂いを放つようになります。

顎や口周りの臭いに気づいたら、ワセリンを用いて優しく汚れを拭き取ってあげましょう。

臭いにおいは細菌が増殖している証拠です。

黒いブツブツが見られる

皮脂腺の詰まりを放置すると、皮脂が毛に絡まって黒いブツブツとして見られます。

黒いブツブツは手で取ろうとしても中々取れないため、ノミ取りコームなどを使って優しく取ってあげてください。

毛が抜けて皮膚が赤くなる

さらに症状が進行すると、細菌が徐々に広がり毛が抜けて皮膚に赤い斑点ができてきます。

皮膚が赤くなると猫はかゆみを感じるため患部をこすり付けたり引っ掻くような仕草を見せます。

この段階まで進行すればすぐに動物病院を受診してください。

洗浄や消毒では不十分なことが多いため、
抗生剤が必要な場合があります。

自宅で簡単にできる顎ニキビの予防法

洗面台でシャンプーをされながら眠る猫

顎ニキビはご自宅での簡単なケアで予防することができます!

顎ニキビのおすすめケア方法を3つご紹介します!

ワセリンを使って口周りを拭いてあげる

猫は自分の体が汚れたら、グルーミングを行って自分で綺麗にします。
しかし、顎下の部分などは自分でグルーミングができないため汚れが溜まってしまいます。

食事の後など口周りが汚れた後には、ワセリンコットン使って優しく拭き取ってあげましょう。

用意するものは以下の2つだけです!

ベビーワセリン

コットン

STEP
指を使って、皮脂とワセリンをなぜませる

優しくワセリンで皮膚をこすると皮脂となじんでいきます。

STEP
ぬるま湯で濡らしたコットンで優しく拭き取る

ぬるま湯で濡らしたコットンを使って滑らせるように、優しく拭き取って下さい。

石鹸やアルコールを使う必要はありません。

ブラッシングをこまめに行う

顎下の部分の毛は溜まりやすいので、1週間に2〜3回ほどブラッシングを行って
余分な毛を抜いてあげましょう。

毛が溜まったままでは皮膚が蒸れてしまい、細菌が繁殖しやすくなります。

動物用のノミ取りコームが顎下には一番使いやすくオススメです。

普段のお手入れには、犬猫専用のウェットティッシュを使うと良いでしょう。

犬や猫も気持ち良さそうにしていますし、犬や猫の匂いが改善します!

シャンプー時に口周りを洗う

長毛種の場合は、1ヶ月〜2ヶ月に1回程度シャンプーを行うと皮膚トラブルを防ぐことができます。

短毛種の場合はシャンプーの必要性はあまりありませんが夏場や身体が汚れていた場合は、シャンプーを行うと良いでしょう。

シャンプーの際に顎下や口周りを洗ってあげると、
皮膚を清潔に保つことができます。

猫のシャンプーには、LIONの「クイック&リッチ」が1番オススメ。
私も愛用しています♪

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は猫の顎ニキビの治療法や原因、予防法などについて紹介しました。

以下の記事では、獣医師が選ぶおすすめのキャットフード猫用おやつを紹介しているので、
こちらの記事もぜひ合わせて読んでみてください!

さらにチュールについても詳しく解説しています!
宜しければこちらもどうぞ!

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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