【犬の健康診断の費用は?】検査内容やオススメ頻度【獣医師解説】

犬の健康診断の費用
犬の健康診断の費用

こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です!

最近では犬や猫も、人間と同様に毎年の健康診断を受けることが当たり前となってきました。

犬を飼われている方たちの中でも、犬の健康診断を受けようか迷っている方も多いかと思います。

しかし、いざ犬の健康診断を受けようと思っても様々な疑問がありますよね!

・犬の健康診断の費用の相場は?
・ペット保険は使える?
・犬の健康診断の検査内容は?
・そもそも犬に健康診断は必要な

 の?
・健康診断は毎年受けるべき?
・健康診断は犬のストレスにな

 る?
・何歳から健康診断を受けた方が

 良いの?

そこで、この記事では以上のような犬の健康診断に関する質問に、
現役獣医師で年間100件以上の健康診断を行う私が丁寧にお答えしていきます!

猫の健康診断については以下の記事で詳しく解説しています♪

目次

犬の健康診断の費用の相場

犬の健康診断の費用の相場

まずは犬の健康診断の費用から見ていきましょう!

一般的な犬の健康診断は1.5〜3万円程度

動物病院やお住いの地域、検査項目の内容などによっても費用は異なりますが、
おおむね15,000円~30,000円程度が目安とされています。

多くのサイトでは「10,000〜15,000円程度」と記載されていますが、
近年は多くの病院で診察代が値上げされており、1.5〜3万円程度が相場です。

*猫の健康診断の相場は1〜2万円程度

犬は猫よりも身体が大きいため、
健康診断の費用は猫よりも高額になってしまいます。

これに加えて、ワクチン接種やアレルギー検査、甲状腺検査などをオプションで行うとさらに費用が発生します。

シニア犬の場合はさらに高額になることも

シニア犬の場合は追加の検査が必要となることが多いため、
子犬や成犬の時よりも費用は高額となりやすいです。

おおよそ3万円程度は準備しておきましょう。

基本的にペット保険は使えない

基本的には健康診断にペット保険を適用することはできません。

ペット保険では、病気やケガの治療にかかった費用が補償されます。

そのため、健康な状態の時に実施される健康診断はペット保険の補償の対象外となってしまいます。

健康診断で病気が見つかった場合は、それ以降の検査ではペット保険を適用することができます♪

<ペット保険で補償されるもの>
・通院:診察料、治療費、処置料、

    検査料、お薬代など
・手術:手術費、手術前の血液検査、

    手術時の麻酔費用、手術後の管
    理費など
・入院:入院費、入院時の処置料、

    お薬代など

<ペット保険で補償されないもの>
・健康診断
・定期検診
・ワクチン接種

・断耳、断尾などの美容整形

健康な動物に行う処置は基本的に補償対象外です。

犬の健康診断の検査内容

犬の健康診断の検査内容

続いて、犬の健康診断で主に行われる検査内容をご紹介します!

問診

まずは飼い主様からじっくりと普段の生活の様子や気になっていることなどをお聞きします。

犬は言葉を話せないため、飼い主様からお聞きする情報は非常に重要です。

問診から病気をある程度予想できることがあるため、大切な検査の一つです。

問診はおおよそ10分程度で終了します。

身体検査

次に、体重や体温測定、視診・触診・聴診を行います。

体重や体温は、犬の発育状態や肥満、健康状態、病気の有無などを知るうえで、とても重要な情報です。

視診では、体の外観や皮膚・毛並・目・耳・口の状態などを獣医師の目で確認して、
怪我の有無や、皮膚病や外耳炎、歯周病などの病気がないかチェックします。

触診は、獣医師が犬の身体を実際に触って行う検査です。
視診だけでは分からなかったお腹のしこりや触って痛がる部位がないかを確認します。

聴診は、聴診器を使って心臓や呼吸時の肺の音を聴く検査です。
心臓や肺などの臓器に異常があれば雑音として聴き取れます。

身体検査は20分程度で終了します。

血液検査

身体検査が終われば、続いて血液検査を行います。

後ろ足や前足から血を少し1〜2mlほど血液を採取して、専用の機械で測定します。

血液検査では、白血球や赤血球、血小板などの血液を構成する成分に異常がないか、
肝臓や腎臓、胆嚢などの臓器に隠れた病気がないか調べることができます。

血液検査だけを希望する場合は、5000円〜8000円程度です。

ウンチとオシッコの検査

ウンチやオシッコからも様々な情報を得ることができます。

病院からウンチやオシッコを事前に採取しておくように指示があれば、その指示に従ってください。

ウンチからは寄生虫、腸内細菌の乱れ、消化管からの出血の有無などが、
オシッコからは膀胱炎や尿結石の有無、尿のpHなどが分かります。

レントゲン検査

レントゲン検査では、身体の中をダイレクトに見ることができるため、非常に有効な検査です。

今までの検査で見つからなかった病気が、
レントゲン検査で突然発見されるというケースはよくあります。

レントゲン検査では、心臓の大きさや肺の状態、臓器の形状、骨折、関節の変形などを調べます。

超音波(エコー)検査

超音波検査とは妊婦さんがよく行う検査で、特殊な機械から超音波を出して
その超音波の跳ね返りから身体の中を画像化します。

痛みや放射線の被爆がないことが大きなメリットですが、検査をする獣医師のレベルによって検査精度が大きく異なるというデメリットがあります。

超音波検査では、各臓器の内部構造の異常やしこりの有無、心臓の中の血流などを評価します。

超音波検査は信頼できる獣医師に行ってもらうのが
大きなポイントです!

犬に健康診断は必要か

犬に健康診断は必要か

そもそも犬に健康診断は必要なのでしょうか?

犬にも健康診断は絶対必要!

結論から言うと、犬にも定期的な健康診断は絶対必要です。

医療の基本は、「治療より予防」の時代です。

病気の早期発見や予防のためにも、定期的な健康診断を必ず受けましょう。

特に加齢に伴ってリスクが大きくなるガンは、
健康診断によって早期発見できれば寿命を全うできる可能性が高くなります。

1歳から1年に1回は健康診断を受けよう

子犬、成犬は1歳から1年に1回、
シニア犬 (8歳以上)は半年に1回は健康診断を受けましょう。

一般の飼い主様には関係ありませんが、令和3年6月1日に施行された改正動物愛護法により、

動物取扱業者 (犬や猫を繁殖・販売する事業者)には、年1回以上の獣医師による健康診断の実施

義務付けられることになりました。

最低でも1年に1回は犬と猫に健康診断を受けさせてねという
国からのメッセージです!

犬を購入した後の健康診断はいつ受けるべき

犬を新しく迎え入れた場合は、1週間程度は自宅の環境に慣れさせてから、
動物病院で最初の診察を受けましょう。

このタイミングでペットショップなどで感染症に罹患していたり、
心臓先天的な異常などがあれば指摘してもらえます。

いきなり動物病院に連れて行くよりも
1週間程度の時間を空けたほうが犬に優しいです。

その後は生後6ヶ月を過ぎたタイミングでもう一度診察を受けると良いでしょう。

犬が健康診断を受けないとどうなるか

犬は話すことができないため、体調が悪くても長い間飼い主様が気づかないことはよくあります。

「昨日まで元気と思っていたのに突然死してしまった。」
「椎間板ヘルニアに気づくのが遅れてしまった。」
「数年ぶりに病院に連れて行ったら末期の癌で、既に手遅れの状態だった」

これらは全て私自身が経験した症例です。

全ての飼い主様に共通していたことは、
健康診断を受けていなかったことを悔やんでいたということです。

「あの時に健康診断を受けていれば・・・」と
後悔しないためにも必ず定期的な健康診断を受けましょう!

健康診断は犬のストレスになるか

健康診断は犬のストレスになるか

健康診断を受けることは犬のストレスになるのでしょうか?

犬の性格によっては大きなストレスになることも

動物病院という慣れない環境下では、賢い犬でも多少のストレスを感じてしまいます。

それぞれの犬によって、性格は大きく異なりますが、

怖がりな犬、臆病な犬、しつけが上手くできなかった犬などは
通院や健康診断を受けること自体が大きなストレスになってしまいます。

子犬の頃から爪切りなどで病院に通って慣れていただくと、
将来の通院のストレスを軽減することができます♪

しかし、健康診断を受けることで得られるメリットの方ははるかに大きいため、
多少のストレスは受け入れて健康診断を受けるべきです。

ほとんどの犬は問題なし

猫は非常にストレスに敏感な動物ですが、犬はある程度ストレスに耐えることができます。

病院で嫌がったり、落ち込んだりする様子を見せる犬は多いですが、
家に帰るとすぐに機嫌を良くしてくれるため安心して健康診断に来てください。

犬が嫌がって病院に連れていけない場合

犬が嫌がって病院に連れていけない場合

動物病院に連れて行こうとすると
犬が怒ったり、動かなくなる時の対処法をご紹介します!

散歩の後にそのまま病院へ行く

いきなり病院に連れて行くと、自宅から病院までのルートを覚えてしまい
そのルートを通ろうとすると嫌がるようになります。

まずは普段の散歩をしていただき、そこから直接動物病院に来てください。

病院の目の前で動かなくなってしまっても、スタッフが運ぶのでご安心を!

病院の後はおやつをあげて褒めてあげてくださいね♪

最低限、ウンチやオシッコだけでも持って行く

どうしても犬を病院に連れて行くことが難しい場合は、
自宅で採取したウンチやオシッコを持ち込むことで、尿検査や便検査に対応してくれる病院もあります。

*必ず事前に動物病院に確認してください。

ウンチやオシッコには、貴重な情報がたくさん詰まっているので
ウンチやオシッコの検査だけでも行う価値は十分にあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本記事の重要ポイントをまとめました。

・犬にも健康診断は必ず必要!
・一般的な犬の健康診断は1.5〜3万円
・子犬、成犬は1歳から1年に1回、
 シニア犬 (8歳以上)は半年に1回は健康

 診断を受ける
・健康診断によるストレスはそれほど大
 きくない
・犬が嫌がって病院に連れていけない場

 合は、ウンチやオシッコだけでも検査
 してもらう

以下の記事では、獣医師おすすめのプレミアムドッグフードおもちゃサプリメントを紹介しているので、こちらの記事も合わせて読んでみてください!

犬と猫の超人気おやつ:チュールチュールごはんについても丁寧に解説しています。
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この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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