【猫が薬を飲まない!】薬の飲ませ方のコツを獣医師が解説

猫が薬を飲まない時のコツ
猫が薬を飲まない時の飲ませ方のコツ

こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です!

皆様は猫に薬を飲ませる時に苦労した経験はありませんか?

・猫が薬を全然飲んでくれない・・・

・猫に薬を飲ませようとしたら噛まれたり引っかかれる・・・

・どうしたら猫に薬を飲ませられるの?

このような悩みを抱えている飼い主様は非常に多いです。

猫になるべくストレスかけずに薬を飲ませてあげたいですよね!

そこでこの記事では、「猫に薬を飲ませる時のコツ」について、
現役獣医師である私が丁寧に解説していきます!

目次

猫に薬を飲ませる方法とコツ

猫に薬を飲ませる時のコツ

早速ですが、猫に薬を飲ませる時のコツを
薬の形状別にご紹介します!

錠剤の場合

錠剤の飲ませ方

STEP
利き手と反対の手で、猫の顔の上から目の横あたりを持つ。
STEP
そのまま猫の鼻先を上に向かせて固定する。
STEP
利き手の親指と人差指で薬を持つ。
STEP
利き手でフリーの中指を使って、猫の下の前歯に指をかけて口を開ける。
STEP
舌の付け根あたりに優しく薬を落とし、口を閉じる。
STEP
猫が飲み込むまで上を向かせ続ける。

薬を投げ込むように飲ませると気管に入ったりして危険です。
必ず優しく薬を口に入れてくださいね!

錠剤を飲ませるコツ

・薬を飲ませる前に、猫の鼻にチュールなどを付けてから錠剤を飲ませる
→猫が鼻をぺろっとすることで喉奥に置かれた薬を自然と飲み込んでくれます!

・舌の付け根辺りに薬を優しく置く
→舌の付け根が最も吐き出しにくく、飲み込みやすい位置です!

粉薬の場合

粉薬の飲ませ方

STEP
人肌程度のぬるめのお湯に薬を溶かして、シリンジやスポイトで吸う
STEP
利き手と反対の手で、猫の顔の上から目の横あたりを持つ。
STEP
そのまま猫の鼻先を上に向かせて固定する。
STEP
シリンジ・スポイトの先を口の端に優しく差し込み、
少しずつ液体を口の中に入れる
STEP
液体を全て飲み込むまで頭を少しあげた状態で口を閉じさせる

粉薬を飲ませるコツ

・ペット用のシロップに混ぜる
・投薬用のおやつに混ぜる

苦い粉薬が苦手な猫や、口を触らせてくれない猫でも、

シロップや投薬用おやつに混ぜたらすんなり受けいれてくれる場合が多いです。

液体の場合

液体の飲ませ方

基本的な方法は「粉薬の飲ませ方」と同じです。

液体の薬は味が強烈であることが多く、猫は吐き出そうとします。

液体を全て飲み込むまで頭を少しあげた状態で口を閉じさせることを意識しましょう。

液体を飲ませるコツ

ペット用のシロップを混ぜることが最も有効です。

暴れる猫に薬を飲ませる方法

力づくで飲ませようとしても余計に暴れてしまうので、
猫を刺激しないように優しく声をかけてあげながら飲ませてあげましょう。

錠剤をすり鉢でつぶして粉状にしてキャットフードやチュールなどに混ぜて一緒にあげてみる
方法も有効です。

暴れる猫を抑える場合は、普段から使用しているタオルなどで猫を包んでしまいましょう。
爪や牙による怪我を防ぐことができますよ!

食欲のない猫に薬を飲ませる方法

食欲のない猫はフードやおやつに薬を混ぜても食べてくれないので、

錠剤粉薬の飲ませ方と同じように、猫を抑えて飲ませることが必要です。

それでも猫が薬を飲んでくれない時

薬を嫌がる猫

「猫に薬を飲ませる時のコツ」を実践しても
薬を飲んでくれない時の対処法をご紹介します!

注射タイプに変更してもらう

少し荒技になってしまいますが、薬を注射のタイプに変更してもらう手もあります。

*薬によっては飲み薬タイプしかない場合もあります。

注射タイプであれば、通院回数が増えてしまうというデメリットがありますが
最も確実な方法でもあります。

気になる方は一度獣医師と相談してみてください!

ペット用の投薬器を使う

ペット用の投薬器とは、錠剤やカプセルを口の奥に入れて飲み込ませるためのものです。

使い方もシンプルで、飼い主様でも簡単に使うことができます。

ペット用の投薬器を使うと、意外とすんなりと薬を飲んでくれたという
声もよく聞きます。

お値段も600〜700円とそこまで高くないため試してみる価値はあります!

猫が薬を飲まない時の注意点

猫が薬を飲まない時の注意点

次に、猫が薬を飲まない時の注意点を見ていきましょう♪

無理やり飲ませない

猫が嫌がっているにも関わらず、何度も無理やり飲ませようとすると
猫が「薬=嫌なもの」と学習してしまいます。

猫が一度薬を嫌いなものと認識してしまうと、それ以降薬を飲ませることはかなり困難になってしまうので
猫が嫌がるようなら無理やり飲ませないようにしてください。

薬を飲めたらしっかり褒めてあげる

猫が薬をうまく飲めたら思いっきり褒めてあげてください。

これはとても大切なことです。

猫は自分が褒められていることや飼い主様が喜んでいることは理解しています。

薬を飲んだ後に大好きなおもちゃで一緒に遊んであげても喜びます。

猫が薬を飲まないから怒ったりすることは絶対NGです!

食べ物と一緒に与える場合

猫の薬を食べ物と一緒に与える時

やむを得ずに、薬を食べ物と混ぜる時の注意点や方法をご紹介します!

薬は原則として薬単独で飲ませるべきであり、食べ物と一緒に食べることを想定されていません。

まずは獣医師に相談する

やむを得ずに、薬を食べ物と混ぜる場合は必ず獣医師に相談してください。

飼い主様の自己判断で食べ物と混ぜて飲ませると、正しい薬の効果が得られないことがあります。

他サイトで、「バター、マヨネーズ、チーズ、鶏肉などと混ぜて与える」という説明がありますが、
猫には塩分量が多すぎる上に、食物アレルギーなどの健康被害が発生するため
絶対にこれらの食材と薬を混ぜて与えることはやめましょう。

獣医師から許可が出た食べ物を、必要最低限の量だけ薬と混ぜて飲ませてください。

キャットフードに混ぜる場合

私はよく、いつものキャットフードと混ぜて与えることはOKと飼い主様にお伝えしています。

多くの猫がキャットフードと一緒であれば薬を飲んでくれますが、

猫が食べ物を選り好みする場合、薬を見破られて避けたり、薬だけを吐く可能性があります。

キャットフードと混ぜる場合は、猫がしっかり薬を飲んだか確認して
薬だけが吐かれていないか注意してください。

チュールなどのおやつと一緒に与える場合

猫の投薬を補助するために作られた専用のおやつも非常に有効です。

通常のおやつは薬と一緒に与えられることを想定して作られていないため
薬の吸収を邪魔してしまう可能性があります。
必ず通常のおやつではなく、投薬用のおやつを使用してください。

以下の投薬補助用のおやつは動物病院でも使用されているほど
使いやすく安全なおやつです。

猫が薬を嫌がる理由

猫が薬を嫌がる理由

続いて、猫が薬を嫌がる理由を考えていきましょう。

味や匂いが苦手

猫の嗅覚や味覚は非常に鋭いため、薬の匂いや味が強い場合、猫は嫌がります。

特に苦味や不快な匂いがする薬は、猫にとって受け入れ難いものとなるでしょう。

最近の薬は猫に配慮して、猫が飲みやすい味・匂いに設計されていることが多いです。

恐怖心や警戒心

猫は新しいものや状況に対して恐怖心や警戒心を持ちます。

薬は普段と異なる匂いや形状を持つため、猫は薬を飲むことに対して警戒心を抱いてしまいます。

薬を猫に与える際に、無理やり口に押し込むと不快感や恐怖心の原因になってしまいます。

過去のトラウマ

以前に薬に関連した嫌な思いをした経験がある場合、猫はその記憶から薬を嫌がります。

猫は非常に賢い動物であり、一定レベルの記憶力も持ちます。

過去に不快な経験をした場合、猫はそれを覚えてしまいます。

大切なことは、子猫の頃に無理に薬を飲ませずに「薬=嫌なもの」と学習させないことです!

猫が薬を嫌がる時の行動

猫が薬を嫌がる時の行動

最後に、猫が薬を嫌がる時の行動を
一緒に見ていきましょう♪

泡やよだれを吐く

薬の味や匂いを不快に感じる猫は、薬を飲んだ後に泡やよだれを吐くことがあります。

これは猫が薬を嫌がる反応の一つです。

特に苦い薬を飲むと、泡やよだれを吐く猫が多い印象です。

薬が吐き出されていなければ特に心配はいりません♪

薬を吐き出す

薬を飲んだ後に、猫が薬を吐き出すことがあります。

これは薬を体内で異物として認識し、排除しようとする反応であったり、

薬自体の副作用で気持ち悪くなっている可能性もあります。

初めての薬を飲んでから、急に吐き戻したり下痢などをした場合は
すぐに動物病院を受診してください。 (薬が体に合っていない可能性が高い)

威嚇する・攻撃する

威嚇・攻撃する猫

猫に薬を無理やり飲ませようとすると、唸ったり威嚇行動をとることがあります。

これは猫が自己防衛のために行う反応です。

飼い主様自身が猫に攻撃されてケガをすることがあります。
猫が威嚇を始めたら、薬を無理に飲ませることはやめましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本記事の重要ポイントをまとめました。

・薬を飲ませる前に、猫の鼻にチュールなどを付けてから錠剤を飲ませる
・液体の薬ペット用のシロップを混ぜると飲んでくれる猫が多い
・どうしても薬を飲ませられない場合は注射タイプに変更してもらうことも考慮する
・食べ物に混ぜる場合は獣医師に相談してから
・無理に薬を飲ませることは絶対にしない

以下の記事では、獣医師愛用のプレミアムキャットフードおもちゃサプリメントを紹介しているので、
こちらの記事も合わせて読んでみてください!

犬と猫の超人気おやつ:チュールチュールごはんについても丁寧に解説しています。
興味のある方は以下のリンクからどうぞ!

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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