・ラブラドール・レトリーバーとゴールデン・レトリーバーの違いを知りたい方
・ラブラドールやゴールデンと暮らしている方
・ラブラドールやゴールデンを購入予定の方
・犬が大好きな方
こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です!
国内の大型犬登録頭数第1位のゴールデン・レトリーバーと第2位のラブラドール・レトリーバー。
どちらもの犬種も非常に賢く、優しい性格の犬であり、
小さいお子様やお年寄りがいる家庭でも飼いやすいため、多くの愛犬家から支持されています。
見た目も名前どこか似ているラブラドールとゴールデンですが、
実はルーツも特徴も全く異なる犬種であることをご存知でしょうか?
ラブラドールといえば盲導犬のイメージがありますが、
ゴールデンはほとんど盲導犬にはなれません。
理由は両者の性格の違いにあります!
普段の診療の中で、ラブラドールとゴールデンに関する以下のような質問を多くいただきます。
・ラブラドールとゴールデンの違いは?
・ラブラドールとゴールデン、飼いやすいのはどっち?
・獣医師的にラブラドールとゴールデン、どちらがオススメ?
・ラブラドールとゴールデンのミックス犬種はあるの?
・ラブラドールとゴールデン、抜け毛が多いのはどっち?
「記事を読むのがめんどくさい!」という方に結論だけ簡単にお伝えすると、
より賢いのはラブラドール、より陽気な性格なのはゴールデンというイメージです!
この記事では「ラブラドールとゴールデンの違い」について、
現役獣医師である私が丁寧に解説していきます!
できるかぎり分かりやすく丁寧に解説していくので、是非最後までご覧ください♪
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ラブラドール・レトリーバーについて
盲導犬の代表であるラブラドール・レトリーバーについて
獣医師が詳しく解説していきます!
ラブラドールの特徴
犬種 | ラブラドール・レトリバー |
---|---|
英語表記 | Labrador Retriever |
原産国 | イギリス |
サイズ | 大型犬 |
体高 | オス:56~57cm / メス:54~56cm |
体重 | オス:30~36kg / メス:28~30kg |
平均寿命 | 12歳前後 |
ラブラドールの性格
生まれつき忍耐力が高く、穏やか、聡明であり、人に喜んでもらうことが大好きです。
嗅覚は他の犬種よりも優れており、水場をとても好みます。
周囲の環境に対して適応性があり、献身的な伴侶になることができます。
記憶力・理解力が高く、盲導犬に最も適した性格を持っています。
穏やかさ、我慢強さなどは全ての犬種の中でトップクラス。
私が初めて飼った犬種でもあり、大好きです!
ラブラドールの歴史
ラブラドールはカナダのニューファンドランド沿岸で発祥した犬種であると考えられています。
沿岸地域では漁師が魚を回収するための役割を担っていたのが、ラブラドールの先祖に当たる犬です。
被毛は良質な油でコーティングされるため、水を弾きます。
素晴らしいウォーター・ドッグであり、その耐水性のある被毛と及びカワウソの尾によく例えられる
キュートな尻尾が特徴的です。
1800年代後半にPeter Hawker大佐及びMalmesbury伯爵によりイギリスに持ち込まれました。
ラブラドールの値段
2024年1月現在、ラブラドール・レトリーバーの小型犬は、30〜40万円程度で取引されます。
ラブラドールは珍しい犬種ではないため、全国のペットショップで購入することができます。
ラブラドールの一口メモ
ラブラドールには「イギリス系」と「アメリカ系」の2種類があることを知っていますか?
「イギリス系」(イングリッシュタイプ) | 「アメリカ系」(アメリカンタイプ) | |
タイプ | 外観が重視される | ドッグショーなどの品評会向けやや気難しい部分もある | 使役犬、狩猟犬としての
体格 | 足が短めでガッチリ体型 | 背丈もやや高い | 手足がスラッと長く
性格 | 賢い、大人しい、人間に寄り添ってくれる | 陽気、どんな人にも愛想が良い |
特徴 | 訓練が好き、盲導犬に向いている | 遊び好き、盲導犬には不向き |
同じラブラドールでありながらも、外観や性格は大きく異なります。
ラブラドールをお迎え予定の方はどちらのタイプが好みか
しっかり決めてからお迎えしましょうね!
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ゴールデン・レトリーバーについて
ゴールデンの特徴
犬種 | ゴールデン・レトリバー |
---|---|
英語表記 | Golden Retriever |
原産国 | イギリス |
サイズ | 大型犬 |
体高 | オス:56~61cm / メス:51~56cm |
体重 | オス:29~34kg / メス:25~29kg |
平均寿命 | 11歳前後 |
ゴールデン・レトリーバーは黄金に輝く美しい被毛と子供のように天真爛漫な性格から
大型犬の中で最も人気な犬種です。
ゴールデンの性格
ゴールデン・レトリーバーは犬の中でも特に陽気で、どんな人と仲良く過ごすことができます。
優しく、友好的で自信に満ち溢れている一方で忍耐力もあり、訓練にも耐えることができます。
人間が大好きな性格のため、怒ったり攻撃的になることはほとんどなく
小さいお子様がいる家庭でも安心して飼うことができます。
運動能力に加えて学習能力も高いことからペットとしてだけでなく、
災害救助犬としても大いに活躍している犬種です。
ゴールデンはとにかく元気いっぱい!
飼い主様と遊ぶことが大好きで、誰からも
愛される性格の犬種です♪
ゴールデンの歴史
ゴールデン・レトリーバーは1800年から1900年頃にかけてイギリスで確立された犬種です。
詳しい背景は不明ですが、トゥイードマウス卿が1865年に購入した
ウェービー・コーテッド・レトリーバーから生まれた黄色の子犬が始祖となったといわれています。
ゴールデンは水鳥猟で仕留めたカモを泳いで回収していた歴史があります。
そのため、泳ぎが非常に得意であり光沢のある被毛は水をよく弾きます。
ゴールデンの値段
2024年1月現在、ゴールデンの子犬は35万〜60万円程度で取引されています。
親がドッグショーなどで入賞している場合は100万円を超えることがあります。
ゴールデンも珍しい犬種ではないため、全国のペットショップで購入することができます。
ゴールデンの一口メモ
ゴールデン・レトリーバーにも「イギリスタイプ」と「アメリカタイプ」の2種類があります。
「イギリス系」(イングリッシュタイプ) | 「アメリカ系」(アメリカンタイプ) | |
毛色 | 薄めのゴールドやクリームなど、白っぽい色 | 茶褐色のゴールドなど、濃いめの色 |
体格 | 骨量豊かでガッチリ体型 | スレンダー | 手足がスラッと長く
性格 | 賢い、大人しい、人間に寄り添ってくれる | 陽気、どんな人にも愛想が良い |
特徴 | マズルが短い | マズルが長い |
日本ではアメリカ系のゴールデンが主流です。
ゴールデンも非常に賢く優しい性格であるため、
犬初心者の方にもオススメです!
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ラブラドールとゴールデンの主な違い
早速、本題であるラブラドールとゴールデンの主な違いを詳しく解説していきますね!
性格の違い
まず第一にラブラドールとゴールデンは性格が大きく異なります。
・ラブラドール:とにかく穏やかで優しく賢い、訓練や躾が大好き
・ゴールデン :非常に陽気で元気、遊びが大好き、社交性が高い
分かりやすく言えば、
ラブラドールは優しいおじいちゃん、ゴールデンは元気な小学生と暮らすイメージ!
犬にどのような性格を求めるかでどちらを選ぶべきか決まってきます。
外見 (骨格や被毛)の違い
ラブラドールとゴールデンは一見すると似たような外見ですが、よく見るとかなり違います。
ラブラドール | ゴールデン | |
骨格 | 頭は大きめ 足はやや短い | 骨量豊かでガッチリ体型頭はコンパクトに収まる 足は長く、スラッとしている | スレンダー体型で
被毛 | 黒・チョコレート・イエローの3色がある | 短毛でゴールド色、クリーム色で 光り輝く | 長毛で毛量が非常に多い
顔 | マズルは短い | 少し小さい目で端正な顔立ち若々しい印象を感じる マズルは長い | アーモンド形のつぶらな瞳
ラブラドールとゴールデンの最も分かりやすい違いは被毛でしょう。
ラブラドールは黒・チョコレート・イエローの3色で非常に短い硬い毛を持ちますが、
ゴールデンはゴールド〜クリームの1色で、長く柔らかい毛を持ちます。
私個人的には、柔らかくフサフサしたゴールデンが好みです♪
抜け毛の量の違い
長毛種でダブルコートのゴールデン・レトリバーは、季節の変わり目で抜け毛の量がすごいです。
初めてゴールデンを飼った時は「こんなに抜けるの?」とビックリすると思います (笑)
ゴールデンは夏と冬の換毛期は毎日ブラッシングを丁寧にし、普段から被毛のお手入れはしてあげてくださいね。
ラブラドールも抜け毛が全くないわけではありませんが、ゴールデンと比べるとかなりマシです。
抜け毛の処理が面倒な方はラブラドールの方が適していますね!
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ラブラドールとゴールデンならどっちがオススメ?
よく頂く質問が「ラブラドールとゴールデンを飼うならどちらがオススメ?」というものです。
飼い主様の求める性格やライフスタイルにもよるため、一概に答えることはできませんが
一般的に飼いやすいと言われるのはラブラドールです!
飼い主様の性格やライフスタイルによる
飼い主様の性格やライフスタイルは十人十色であるため、
「ラブラドールとゴールデンならどちらの方がよりオススメ!」と断言することはできません。
ラブラドールとゴールデンは見た目は似ていますが、特徴や性格は大きく異なるため
どちらの方が自分に適しているかしっかり判断する必要があります。
・犬とご自宅でゆったりとした時間を送りたい方
・犬をしっかりと躾けて、動物というより人間の良きパートナーとなって欲しい方
・おっとりとした温和な性格の犬が好きな方
・マンション住まいの方 (ラブは抜け毛が比較的マシ)
・犬と外で思いっきりフリスビーやボールなどで遊びたい方
・犬と笑い合いながら、小さい元気な子供のような存在になって欲しい方
・陽気で元気な性格の犬が好きな方
・一軒家にお住まいの方
どちらの犬種も非常に賢く攻撃性はないため、最終的には自分の好みで選んでも良いでしょう!
一般的に飼いやすいと言われるのはラブラドール
ここからはあくまでも一般論ですが、どちらかというと飼いやすいのはラブラドールと言われます。
「犬初心者の方はとりあえずラブラドールを選べ!」と謳うガイドブックもあるほどです。
もちろん、ラブラドールの中でもおてんばな性格の子はいますし、
ゴールデンで非常におとなしい性格の子もいます。
大切なのはなるべくネットで購入するのではなく、
ペットショップやブリーダーに足を運ぶこと!
ビビッと「この子と運命だ!」と感じる出会いもあるため、是非お気に入りの子を探しに行きましょう♪
ラブラドールとゴールデンの飼い方
ラブラドールとゴールデンは同じ大型犬でも性格が違うため
適切な飼い方は異なります。
ラブラドールやゴールデンと一緒に暮らしている方は是非参考にしてください!
ラブラドールの飼い方
ラブラドールは暑さに弱いので、夏場の散歩は早朝か夕方以降に行い、
室内でもエアコンなどを活用し20℃〜23℃程度に維持してあげてください。
ラブラドールは盲導犬の代表犬種であるため、しつけやトレーニングが大好きです。
知的好奇心を満たしてあげるために知育玩具を使ったり、
散歩中に様々な刺激を与えることでラブラドールは多くのことを学習します。
最低でも30分の遊びと1時間程度の散歩が必要です。
獣医師である私も愛用する犬の知育玩具♪
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ゴールデンの飼い方
ゴールデンも暑さに弱いので、夏場の散歩は早朝か夕方以降に行い、
室内でもエアコンなどを活用し20℃〜23℃程度に維持してあげましょう。
ゴールデンはダブルコート (毛が2層構造になっている)のため、夏と冬の換毛期には大量の抜け毛が発生するため、
毎日のブラッシングと定期的なサロンが欠かせません。
豊富な運動量を必要とする犬種なので、最低でも1日1時間以上の散歩を行うようにしてください。
大型犬は豊富なタンパク質やビタミンを必要とするので、フードにも気を使う必要があります。
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ラブラドールとゴールデンのなりやすい病気
ラブラドールとゴールデンは見た目がよく似ていますが、
なりやすい病気は大きく異なります。
ラブラドールのなりやすい病気
胃拡張捻転症候群、股関節形成不全、食物アレルギー、外耳炎、皮膚炎
肥満細胞腫、骨肉腫、リンパ腫などの悪性腫瘍
ラブラドールは皮脂量が多いため外耳炎や皮膚炎などの皮膚トラブルも非常に多いです。
また、ラブラドールを代表とするレトリーバー系は悪性腫瘍 (=がん)になりやすいと言われています。
悪性腫瘍は症状が一気に進行するため、愛犬に異変を感じたらすぐに動物病院を受診してください。
ゴールデンのなりやすい病気
胃拡張捻転症候群、股関節形成不全、甲状腺機能低下症、膿皮症、
アトピー性皮膚炎、外耳炎、汎骨炎など
大型犬に多い胃拡張捻転症候群や整形系の疾患が多いです。
ゴールデン・レトリーバーは被毛が厚く、皮膚が蒸れやすいため皮膚炎になりやすい傾向があります。
こまめなトリミングとシャンプーは欠かせません!
ラブラドールとゴールデンのミックス犬種はあるの?
よく、「ラブラドールとゴールデンのミックス犬種はあるの?」
と飼い主様から質問をいただきます。
結論から言うと、ラブラドールとゴールデンのミックス犬種は存在しますが、
特定の犬種名はついておらずあくまでもMIX種 (いわゆる雑種)として扱われます。
正式な犬種としては存在しない
ラブラドールとゴールデンは交配可能であり、
実際に私もラブラドールとゴールデンのミックス犬種を診察したことがあります。
ミックス犬種とは主に人工的に異なる種類を交配させて生まれた犬のことを指します。
現在、世界にはミックス犬種を含めて700〜800の犬種があるといわれています。
一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)では、206犬種を純血種として登録しております。
ラブラドールとゴールデンのミックス犬種はマルプー (マルチーズ × プードル)、チワックス (チワワ × ダックス)
のように特定の犬種名を持っていません。
あくまでも非公認犬種のMIX犬種として扱われます。
両方の性質を受け継ぐとも限らない
ラブラドールとゴールデンのミックス犬種は、両方の犬種の良さを必ずしも受け継ぐとは限りません。
個人的には、母犬の犬種の要素が強くなる傾向があると思います。
一般の方がラブラドールとゴールデンを交配させることは控えた方が良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事の重要ポイントをまとめました。
以下の記事では、今話題沸騰中のAIM30や、犬の最強おもちゃやハーネス、ペットスエットなどを
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この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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