こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です!
この記事では、以下のような質問に獣医師が丁寧にお答えしていきます!
結論から言うと、夏の犬の散歩時間は「早朝5時〜6時」か「夜9時〜10時」がベストです!
何があっても「昼11時〜15時」の間の散歩はやめましょう。
以下でさらに詳しく解説していきます♪
夏の犬の散歩はなぜ危険?
熱中症のリスク
皆様もご存知だと思いますが、犬も熱中症になる可能性があります!
犬の平熱は37〜38℃程度と人よりも高い上に、全身を毛に覆われています。
人間に置き換えると真夏にダウンを着て生活しているようなもの!
そんな状態で体温がさらに上がる散歩を行うと、当然熱中症の危険性が跳ね上がります。
特に夏の昼11時〜15時の散歩は熱中症のリスクが高まるため絶対にやめましょう。
肉球を火傷する
真夏の日中のアスファルトは50~60℃以上まで温度が上がってしまいます。
これは熱い鉄板のような状態です。
犬は人と違って靴を履いておらず、肉球がそのままアスファルトに接するため
肉球をすぐに火傷してしまいます。
犬の肉球は実はとても敏感です。
肉球の火傷を防ぐためにも、夏の間は肉球保護シールや犬専用の靴下を使ってあげてください!
小型犬には肉球保護シールが、中〜大型犬には犬専用の靴下がオススメ!
夏の犬の散歩に適した時間
では、犬が最も安全に散歩できる時間はいつなのでしょうか?
一番のオススメは早朝5時〜6時
太陽が出る前の早朝5時〜6時は、犬にとって最も快適に散歩ができる時間です。
前日に温められたアスファルトが夜間で冷やされているため、肉球を火傷する心配がありません。
さらにオオカミ時代の野生の習性が残っているため、早朝は犬が最も活動的になる時間帯でもあります。
早朝に運動を行うことで自律神経が刺激されて人と犬の健康維持にも役立ちますよ!
早起きは飼い主様にも犬にも健康的♪
夜9時〜10時もオススメ
2番目にオススメする時間帯は、日が沈んでからしばらくした夜9時〜10時ごろです。
アスファルトもやや熱を帯びていますが、火傷する心配はありません。
一方で、夜は周りから犬が見えにくくなるため、交通事故などのトラブルには十分気をつけてください。
周りの人から犬の姿が見えるよう光る首輪やハーネス、リードなどのライトグッズを使うと安心です!
蚊も増える時間帯ですので、フィラリア予防もお忘れなく!
どのくらいの気温から散歩は危険か
気温28℃が一つの目安
犬種や健康状態、基礎疾患の有無などで多少の違いはありますが、
犬の熱中症リスクが高まる気温は28℃前後と言われています。
日々天気予報をチェックして、28℃を超える日が増えてきたら、日中の散歩は控えるようにしてください。
個人的には6月を過ぎると日中の散歩は行かないようにしています。
実は室内でも犬の熱中症は発生します。
必ずエアコンをつけるようにしてくださいね!
短頭種・寒冷地原産の犬は要注意
特に熱中症になりやすい犬は以下の通りです。
・パグやボストンテリアのような鼻が潰れた
短頭種
・ハスキーやサモエドのような寒冷地原産の
犬
・肥満気味の犬
・子犬やシニア犬
特に一つ目のパグ、ボストンテリア、ブルドッグ、シーズー、ペキニーズなどの
鼻が潰れた短頭種の犬は、生まれつき正常な呼吸がしづらいため
特に熱中症のリスクが高いです。
暑い日は愛犬の様子をしっかりと観察してあげましょう。
昼間に散歩をさせる時の注意点
どうしても日中の時間帯にしか散歩に行けない場合の対策法を2つご紹介します!
アスファルトを絶対に歩かせない
夏の日中のアスファルトは熱い鉄板のような状態のため、
アスファルトの上を絶対に歩かせてはいけません。
公園やドッグランなど、地面が土や芝生で整備された場所でのみ、犬を歩かせるようにしてください。
アスファルトの上は犬用ベビーカーやキャリーケースに入れて移動し、
犬がアスファルトに接触しないようにしましょう。
こまめな水分補給
散歩中は常に水分を携帯し、15分に1回は十分な水を飲ませてあげましょう。
心配な方は犬専用のスポーツドリンク:ペットスエットを飲ませてあげると
さらに安心です。
犬も喜ぶ味なので夏場はオススメ!
犬が熱中症になった時の応急処置
夏の散歩中に犬の様子がおかしいと感じたら、それは「熱中症」の可能性が高いです。
以下のような症状が見られたら、「熱中症になっている」と判断して
すぐに応急処置を行いましょう。
・呼吸が荒い
・舌や口の色が赤い
・口を開けて大量のよだれを垂らしている
・ボーッとしている
・自分で立ち上げれない
・ぐったりしていて、元気がない
①すぐに風通しの良い日陰や室内に入る
犬の異変に気付いたら、まずはこれ以上の体温上昇を防ぐために
すぐに風通しの良い日陰や室内に入ってください。
②水を飲ませる
次に、犬が水を飲みたそうにしていれば、軽く冷やしたお水を
少しずつ飲ませてあげてください。
誤嚥の可能性があるため無理に飲ませるのはNG!
水が飲めないほどぐったりしていたら、
濡らしたタオルやハンカチで口元を濡らしてあげましょう。
③犬の体に水をかけて、風をあてる
最後に、日陰で犬の体に水をかけ、うちわや扇風機を使って
犬の体に風を送ってあげてください。
氷がある場合は、太い血管が走る場所に氷を当ててあげると
より効率的に体温を下げることができます。
<氷で冷やすべき太い血管が走る場所>
・頭
・首筋
・脇の下
・内もも
応急処置が終わればすぐに動物病院へ!
夏の散歩のオススメグッズ
獣医師である私が犬の散歩中に愛用しているグッズを厳選して紹介します!
水筒
散歩中の水分補給は欠かせません。
650mlと大容量で長時間のお散歩でも安心です。
キャップが水飲みカップになるのでとても便利で、フック付きなのでバッグに簡単に取り付けられて、
コンパクトに水を持ち運びできます。
セーフティライト
「セーフティライト」は、犬の首に装着するLEDライトのことで、
夜のお散歩を安心して楽しむことができます。
充電式のため電池を買う必要がなく、虹色に光るため視認性もバツグンです!
夜にお散歩をされる方にとって必須アイテム!
肉球保護グッズ
早朝や夜に散歩に行っても、アスファルトの熱が完全に冷めていないことがあります。
肉球が火傷しないように、肉球保護グッズを装着してお散歩に行くと安心です。
小型犬には肉球保護シールが、中〜大型犬には犬専用の靴下がオススメ!
アスファルトの熱でダメージを受けたり加齢によって硬くなった肉球を
保湿するジェルもよく愛用しています。
クールリング&クールバンダナ
お散歩中に犬の体を冷やすことができるアイテムは非常に効果的です。
中でも太い血管がある首元を冷やす「クールリング」や「クールバンダナ」は
熱中症予防に最適です。
この商品を使い始めてから、
散歩中に犬が暑がることがなくなりました!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事の重要ポイントをまとめました。
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この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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