こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です!
子供のなりたい職業ランキングで上位の獣医師ですが、獣医師の仕事内容は意外と知られていません。
獣医師といえば「犬と猫のお医者さん」というイメージを、多くの方が持たれていると思いますが
実は獣医師の仕事内容は非常に多岐に渡ります。
本記事では現役獣医師である私が、獣医師の仕事内容や獣医師の大変なこと、やりがい、
獣医師に向いている人などを徹底解説していきます。
獣医師の平均年収も紹介しているのでぜひ最後までご覧ください!
この記事では以下のような疑問を解決します。
・獣医師の仕事内容は?
・獣医師の大変なことは?
・獣医師のやりがいは?
・獣医師に向いている人は?
・獣医師の平均年収は?
獣医師の5つの仕事内容
獣医師の仕事内容は非常に幅広く、それぞれの進路によって大きく異なります。
ここでは、獣医師の仕事内容を大きく5つに分けてご紹介します!
*本記事で紹介する仕事内容以外の分野で活躍されている獣医師はたくさんいます。
小動物を治療する獣医師
多くの方がイメージする獣医師といえば、「犬と猫のお医者さん」でしょう。
犬と猫以外にも、ペットとして人気なウサギ・鳥・ハムスター・爬虫類などを
専門として診療されている獣医師もいます。
多くの獣医学生が希望する進路でもあるので、
人気の病院に就職することは年々難しくなっています。
私の仕事もこの分野です。
獣医師の40%が小動物治療に従事しています。
家畜を治療する獣医師
農場や牧場、と殺場などで牛や豚、馬などの大型の家畜を専門に診療する獣医師もたくさんいらっしゃいます。
食卓に美味しく安全なお肉を提供する非常に大切な仕事ですが、時には身の危険が伴う仕事であり、仕事内容もハードです。
近年は人材不足が問題視されており、数年前に話題となった加計学園の獣医学部も、
大動物を治療する獣医師を増やすという目的で新設されました。
獣医師の10%が家畜の診療を行います。
深刻な人手不足問題に苦しむ分野でもあります・・・
公務員として働く獣医師
公務員試験に合格して農林水産省や保健所、家畜衛生所などで働く獣医師も多くいらっしゃいます。
法律の整備や、口蹄疫などの重大な感染症が発生した時に指揮を取って対策を行うなど
非常に大きな責任が伴う仕事でもあります。
動物の健康だけではなく、人の健康もサポートすることができるため最近では就職人気が高い分野です。
獣医師の約25%が公務員として働いています。
製薬会社などの企業で働く獣医師
製薬会社で研究を行ったり、獣医師とは直接的に関係ない会社で働く獣医師もいらっしゃいます。
製薬会社などの大企業は、給料や手厚い福利厚生などが魅力的であるため、多くの獣医学生から人気のある分野です。
ちなみにコロナ禍で話題となった製薬会社「ファイザー」のCEOはギリシャ人の獣医師です。
私の同級生で獣医師免許を取得後、Amazonや任天堂で働いている人も!
研究者として働く獣医師
大学や国の研究所などで新しい薬や治療法の開発、感染症の研究などを行う獣医師も数多くいらっしゃいます。
動物の病気だけではなく、インフルエンザやエボラなど人の重大な感染症を研究することも
獣医師の大きな使命の一つです。
本当に優秀な獣医師しか研究者として活躍することはできません。
獣医師の仕事内容をまとめると、以下の通りです。
その他にも、野生動物を専門に診察される獣医師や学校教員として働かれる方など、
様々な分野で活躍できるのが獣医師の大きなメリットですよ!
獣医師の3つの大変なこと
話すことのできない動物が相手である獣医師。
その仕事にはたくさんの大変なことがあります。
ここでは、個人的に感じる獣医師の3つの大変なことをご紹介します!
治療対象がヒト以外の全ての動物であること
極論になりますが、獣医師の診療対象はヒトを除く地球上の全ての動物です。
地球上には哺乳類だけで約6,000種、鳥類は約9,000種存在すると言われています。
動物を治療できるのは獣医師だけであるため、これらの数の動物であっても
依頼があれば治療しなくてはなりません。
ちなみに、獣医系大学では主に犬・猫・鶏・牛・馬・豚・山羊の7種類について学びます。
正直、この7種類だけでも全てを理解することは不可能です。
治療対象がヒト以外の全ての動物であることは、
獣医師の仕事の中でも最も大変なことと言えます。
獣医師には幅広い知識が求められます。
動物はどこが痛いか教えてくれない
動物はどこが痛いのか (そもそも体調が悪いのか)どうか教えてくれません。
人であれば、どのように怪我をしてどこが痛むのか全て教えてくれるでしょう。
しかし、動物が相手であればそうはいきません。
動物の様子や血液検査の結果、飼い主からの情報などを全て考慮して
動物が抱えている問題を考えていきます。
獣医師は、話すことのできない死体から犯行時の様子を推理する探偵にとても似ています。
獣医師には、推理力や動物を観察する観察力が求められるのです。
獣医師と探偵は実はとても似ています!
給料が能力と見合わない
大前提として、獣医師の給料はとても低いのが現状です。
獣医師になるためには、医師と同じく6年間大学で医学を学び、
獣医師国家試験に合格する必要があります。
入学時に求められる偏差値も理系の中では医学部に次いで2番目に高いのですが、
社会に出た獣医師の給料はとても低いのです。
厚生労働省の「令和4年度賃金構造基本統計調査」によると、
獣医師の平均年収は37.8歳で約687万円となっています。
医師の平均年収が約1200万円と獣医師のほぼ2倍近い数字であることを考慮すると
獣医の年収は能力に見合った額ではないと言えるでしょう。
もう少し給料が高くてもいいはず・・・笑
獣医師の大変なことをまとめると、以下の通りです。
獣医師のやりがい
大変な職業である獣医師ですが、その分非常にたくさんのやりがいを感じられます。
獣医師を目指されている方はぜひ参考にしてください!
大好きな動物を救うことができる
獣医師を志す人のほとんどが動物を愛しています。
その大好きな動物たちを治療することができる唯一の職業が獣医師です。
病気に苦しむ動物たちが自分の治療で元気になる姿を見ると本当に嬉しく、獣医師としての大きなやりがいを感じることができます!
動物を治療するためには獣医師になるしかありません。
飼い主や農家の人などから感謝される
自分の治療によって動物が元気になると、
飼い主様や農家・牧場の方からとても感謝してもらえます。
社会の中で誰かの役に立っているという感覚は
仕事をする中で非常に大きなやりがいとなります。
動物と人の双方の健康をサポートできる
日本獣医師会は、1995年に「獣医師の誓い – 95年宣言」というものを発表しており、
この誓いは全ての獣医師が社会に対して約束した宣言です。
この誓いの中で、
「動物の生命を尊重し、その健康と福祉に指導的な役割を果たすとともに、人の健康と福祉の増進に努める」
と宣言しています。
つまり、獣医師は動物の健康と福祉だけではなく、人の健康と福祉に対しても責任を負っています。
特に公務員獣医師や人の病気を研究する研究者として働く獣医師は、より直接的に人の健康に関わります。
興味がある方は「獣医師の誓い – 95年宣言」を
一度読んでみてください!
獣医師に向いている人
獣医師が向いている人の特徴を3つご紹介します!
*あくまでも個人の主観です。
動物が好きな人
当然のことですが、動物が好きな人は獣医師に向いています。
獣医師は動物を治療することが仕事であるため、
動物のことが好きでなければどこかで挫折してしまいます。
私の知り合いの獣医師も全員が
重度の動物オタクです・・・笑
常に冷静で判断力に優れている人
獣医師には常に冷静な判断が求められます。
急患が運ばれてきた時や、手術中にハプニングが発生した時などは特に冷静な判断が必要となります。
あがり症やパニックになりやすい人でもトレーニングを行えば、
冷静な判断ができるようになるので安心してくださいね!
人の気持ちをくみ取る優しさを持つ人
人の気持ちをくみ取る優しさも獣医師には求められます。
特に、小動物を治療する獣医師には、飼い主様の気持ちに寄り添って
不安を和らげることも重要な仕事です。
動物だけではなく人の気持ちをくみ取る優しさを持つことが重要です!
獣医師にはコミュニケーションスキルも求められます。
獣医師の平均年収
厚生労働省の「令和4年度賃金構造基本統計調査」によると、
獣医師の平均年収は37.8歳で約687万円となっています。
動物病院を開業した場合の平均年収は1000万円程度であり、開業した病院が成功すれば年収が数千万円を超えることも珍しくありません。
獣医師の平均年収や初任給、獣医師の懐事情は以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ読んでてください!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は獣医師の仕事内容や獣医師の大変なこと、やりがい、獣医師に向いている人、
獣医師の平均年収などをについて紹介しました。
以下の記事では、獣医師のなり方や獣医師国家試験の合格率、獣医師の年収を紹介しているので、
こちらの記事もぜひ合わせて読んでみてください!
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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