【猫にコーヒーは絶対ダメ!】飲んだときの対処法は?【獣医師解説】

猫がコーヒーを飲んだ時の対処法
猫がコーヒーを飲んだときの対処法は

こんにちは、獣医師もも (@juishi_momo) です!

朝ごはんや勉強や仕事の休憩に欠かせないコーヒー。毎日飲んでいる方も多いかと思います。

愛猫がコーヒーを飲もうとしたり、目を離した隙にコーヒーを飲んでしまった経験はありませんか?

結論から言えば、猫にコーヒーは少しでも絶対に飲ませてはいけません!

・猫にコーヒーを飲ませても大丈夫・・・?

・猫がコーヒーを飲んでしまった時はどうすればいいの・・・?

・猫にとって危険な飲み物・食べ物は何?

このような悩みを抱えている猫の飼い主様は非常に多いです。

コーヒーを飲もうとする猫は意外に多いです (焦)

そこでこの記事では、「猫にコーヒーを飲ませてはいけない理由」について、
現役獣医師である私が丁寧に解説していきます!

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目次

猫にコーヒーは絶対ダメ!

猫にコーヒーは絶対ダメ!

まず始めに、猫にコーヒーを飲ませてはいけない理由をご紹介します!

コーヒーに含まれる「カフェイン」が問題となる

ご存知の通り、コーヒーには眠気を覚ます「カフェイン」が大量に含まれています。

カフェインは「モンスター」や「レッドブル」などのエナジードリンクにも多く含まれています。

人間は摂取したカフェインを肝臓ですぐに分解できますが、猫は人間のように体内でカフェインを分解できません。 

そのため、猫の体内にカフェインが長時間残ってしまい、中毒症状として猫の体に悪影響を及ぼします。

カフェインが猫に及ぼす有害な作用

カフェインには脳や神経を興奮させる作用がありますが、その他にも様々な効果を発揮します。

・中枢神経系を興奮させる
・胃液を分泌する
・利尿作用 (オシッコが増える)
・鎮痛作用

一見すると良い効果ばかりですが、猫にとってカフェインの効果は強すぎです。

コーヒーを飲んだ猫には、異常に興奮する、嘔吐・下痢が見られる呼吸が荒くなるなどの、
有害な作用が現れてしまいます。

猫にとって危険なコーヒーの摂取量

猫のカフェイン中毒の症状は体重1㎏あたり20mg〜50mgのカフェイン摂取で現れ、

カフェインの致死量は、体重1㎏あたり150mg程度と言われています。

例えば、体重5㎏の猫であれば、カフェイン100〜250mg (コーヒー1〜2杯)で中毒になり、
カフェイン750mg (コーヒー9〜10杯)で死亡する計算です。

猫がコーヒーを9杯も飲むことは不可能なため、カフェイン中毒で亡くなることはほとんどありませんが、

コーヒー1杯だけでもかなり強い中毒症状が現れることもあるので注意が必要です。

デカフェ (カフェインレスコーヒー)も要注意

最近流行りのデカフェ (カフェインレスコーヒー)は特殊な製法を用いて作られます。

コーヒーに含まれるカフェインをできるだけ除去したデカフェですが、

カフェイン量がゼロという訳ではなく、「カフェインを90%以上除去したもの」という意味です。

デカフェと謳われていても少量のカフェインが含まれている可能性があるため、

猫には飲ませないようにしてください。

猫がコーヒーを飲んでしまった時の対処法

猫がコーヒーを飲んでしまった時の対処法

猫がコーヒーを飲んでしまったらどうすれば良いのでしょうか?
一緒に考えていきましょう。

猫が確実にコーヒーを飲んだり舐めた場合

猫がコーヒーを飲んでいる瞬間を目撃したなど、猫が確実にコーヒーを飲んだと分かる場合は

直ちに動物病院を受診しましょう。

厳しい言い方になりますが、猫がコーヒーを飲んでしまった場合の自宅でできる応急処置はありません。

動物病院で催吐処置を受けることが基本の治療となります。

催吐処置とは、気持ち悪くなる注射を打って強制的に胃の中のものを吐き出させる治療法です。

猫がコーヒーを本当に飲んだか分からない場合

猫がコーヒーを本当に飲んだか分からない場合は、自宅で様子を見てあげてください。

数時間経っても猫の様子に異変が見られなければ、

コーヒーを飲んでいないか、飲んだ量がごく僅かでカフェイン中毒にならなかったのでしょう。

自宅で様子を見ていて、以下のようなカフェイン中毒の初期症状が見られた場合は

すぐに動物病院を受診してください。

・ソワソワして落ち着きがなくなる
・よだれが垂れる
・呼吸が荒く速くなる

猫がコーヒー豆やコーヒーのかすを食べた場合

コーヒー豆やコーヒーのかすにもカフェインは大量に含まれています。

猫がコーヒー豆やコーヒーのかすを食べた場合も、食べた量に関わらずすぐに動物病院で治療を受けましょう。

飲んだ量に関わらず、コーヒーを飲んだことが確実な場合は
動物病院で治療を受けることを強くオススメします。

猫がコーヒーを飲むと引き起こされる症状

猫がコーヒーを飲むと引き起こされる症状

猫がコーヒーを飲んでカフェイン中毒になると
現れる主な症状をご説明します。

猫のカフェイン中毒の初期症状

・ソワソワして落ち着きがなくなる
・よだれが垂れる
・呼吸が荒く速くなる

猫がコーヒーを飲んだ後に上記のような初期症状が見られたら、

迷うことなく動物病院を受診してください。

初期の段階で治療を開始することが大切です!
この段階で治療を行えば大ごとにはなりません。

病院を受診する際は、以下の内容をメモして獣医師に伝えましょう。
・コーヒーを飲んだ時間
・飲んだ量
・飲んだコーヒーの種類やブランド

中等度の猫のカフェイン中毒症状

・繰り返し嘔吐する
・下痢
・おもらしをする
・フラフラと歩く

カフェイン中毒が初期症状を過ぎて中等度の症状に進行すると、明らかに猫の異変に気づきます。

一刻も早く動物病院で治療を開始しないと命の危険もあるため、速やかに動物病院を受診してください。

重篤な猫のカフェイン中毒症状

・けいれん
・全身の筋肉が硬直する
・呼吸が止まる

カフェイン中毒がさらに進行して重篤度の高い状態になると、死亡する確率が一気に高くなります。

重篤度の高い状態では1分1秒の遅れが命を左右するため、速やかに動物病院や夜間救急を受診して

獣医師の指示に従ってください。

残念ながらカフェイン中毒が重篤にまで進行すると
救命できる可能性はかなり低いです。

猫がコーヒーを飲んだ時の治療法

猫のカフェイン中毒の治療法

猫がコーヒーを飲んだ時の治療法をご紹介します♪

猫がコーヒーを飲んでしまった時に解毒薬はなく、対症療法しかありません。

催吐処置

催吐処置とは、気持ち悪くなる注射を打って強制的に胃の中のものを吐き出させる治療法です。

胃の中に残っているコーヒーを強制的に吐き出させることで、症状の緩和を狙います。

催吐処置は動物病院でのみ行うことができます。
ご自宅で塩を飲ませたりして無理に吐かせることは絶対にやめてください。

点滴・投薬

胃の中のものを吐かせた後に、脱水症状が見られたりした場合は

点滴やビタミン剤を打って全身状態の改善を行います。

猫のコーヒーの誤飲を防ぐ方法

猫のコーヒーの誤飲を防ぐ方法

猫が目を離した隙にコーヒーを飲むことがないように
しっかりと事前に対策をしましょう。

飲み残しを放置しない

飼い主様がコーヒーを飲んだり、飲んでいる途中に席を立つ場合は猫から目を離さないようにしましょう。

飲み残したコーヒーをそのままテーブルの上に放置すると、
猫がカップから直接飲んだり、こぼれたコーヒーを飲んだりする可能性があります。

食べ残しや飲み残しを放置しない。

これは動物と暮らす人にとって最も大切なことです!

コーヒーの袋は扉のついた棚や引き出しにしまう

インスタントコーヒーの粉やコーヒー豆にもカフェインが含まれているため、

猫がイタズラをして封を開けると危険です。

人間の食べ物は猫の口に入らないように、扉のついた棚や引き出しなどにしまう癖をつけてください。

日頃から人の食べ物や飲み物を与えない

仮に猫に与えても大丈夫なものであっても、日頃から人の食べ物や飲み物を与えないようにしてください。

猫に「人の食べ物は食べてもOK」と学習させないことが大切です。

愛猫におねだりをされるとついついあげたくなる気持ちは分かりますが、

愛猫の健康にためにも人の食べ物は絶対に与えないことが重要です。

コーヒー以外に猫にとって危険な飲み物・食べ物

コーヒー以外に猫にとって危険な飲み物・食べ物

最後に、コーヒー以外に猫にとって危険な飲み物・食べ物を
まとめてご紹介します♪

猫にとって危険な飲み物

・ジュース類 (砂糖が多すぎる)
・お酒類 (アルコール中毒になる)
・紅茶、緑茶などのお茶類 (カフェイン中毒や尿路結石の原因になる)

観葉植物の鉢に溜まった水

ジュース類

基本的に人が飲むジュース類には砂糖が多く含まれています。

特にスポーツ飲料や炭酸飲料は猫にとって有害であるため、与えないように注意しましょう。

基本的に、猫には水以外の飲み物を飲まさないようにしてください。

唯一の例外として、「ペットスエット」は犬と猫のために作られたスポーツドリンクで、

特に夏場の水分補給には最適です。気になる方はぜひチェックしてみてください!

お酒類

当然ですが、猫にお酒は飲ませてはいけません。

猫は肝臓でアルコールを分解できないため、少しのお酒でも急性アルコール中毒となって意識を失ったり、

最悪の場合は命を落としてしまうこともあります。

料理酒手指の消毒液にもアルコールは含まれてるいるため、猫の手が届く範囲に置くことはやめましょう。

紅茶、緑茶などのお茶類

コーヒー以外にも紅茶、緑茶などのお茶類も多くのカフェインが含まれています。

加えて、緑茶には尿路結石の原因となるシュウ酸が含まれているので、とても危険です。

観葉植物や花壇の鉢に溜まった水

観葉植物や花壇の鉢に溜まった水には、植物の葉や根っこからしみ出た毒素が含まれています。

ユリ科、バラ科、ツツジ科、キンポウゲ科などの植物は猫にとって猛毒なので
特に注意が必要です。

猫にとって危険な食べ物

・ブドウ、レーズン
・タマネギ、ニラなどのネギ類全般
・チョコレートやキシリトール
・アボガド
・生肉
・生の甲殻類やイカ、タコ

ブドウ、レーズン

ご存知のの方も多いですが、ブドウやレーズンは猫の腎臓に大きなダメージを与えます。

ちなみにブドウやレーズンがなぜ腎臓に悪いのかは解明されていません。

タマネギ、ニラなどのネギ類全般

こちらもかなり有名ですが、タマネギ、ニラなどのネギ類全般には

チオ硫酸化合物という成分が含まれており、猫の赤血球を破壊してしまいます。

赤血球は新鮮な酸素を全身に運搬するために欠かせないものなので、非常に重い中毒症状を示します。

カレーやスープなどのネギ類が入った料理も危険です。

チョコレート類、キシリトール

チョコレートはカカオに含まれるテオブロミンという成分が中毒の原因となります。

歯磨き粉などによく含まれるキシリトールは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌を促進するため
低血糖の原因となります。

特にキシリトールは少しの量でも低血糖を引き起こす可能性があるため十分注意してください。

アボガド

以外と知られていませんが、アボカドにはペルシンという成分が含まれています。

ペルシンは食欲低下や下痢、嘔吐などを引き起こすためアボガドは与えないようにしましょう。

生肉

猫は本来肉食動物であるため、加熱処理された肉を少量あげることは問題になりません。

しかし、生肉には食中毒の原因となるサルモネラ属菌大腸菌カンピロバクターといった細菌や

トキソプラズマなどの寄生虫が付着している可能性があります。

猫から人に感染する恐れもあるため、家庭内での感染に注意しましょう。

生の甲殻類やイカ、タコ

生の甲殻類やイカ、タコにはチアミナーゼ(ビタミンB1を分解する酵素)が多く含まれています。

加熱すればチアミナーゼは破壊されるため問題となりませんが、

生の甲殻類やイカ・タコをあげすぎると、チアミナーゼによってビタミンB1が分解されるため

ビタミンB1欠乏症になり、食欲低下、ふらつきや歩行障害、麻痺が起こる可能性があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本記事の重要ポイントをまとめました。

・猫にコーヒーは絶対あげてはいけない
・猫がコーヒーを飲んで死ぬ可能性は低いが、重度のカフェイン中毒になる可能性がある
・猫がコーヒーを飲んだら量に関わらずすぐに病院へ!
・基本的には猫に人の食べ物・飲み物を与えない

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この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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